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音 拾 い
過去の日記(2003年)

T O P

2003.12.30.

今年も飽きずにここを見に来て下さった皆様、ありがとうございました。

さて、今年の目標のうち、実現できたのは『アルバムを発売する』という事だけだった。しかし、大変だった。殆ど全て新曲だった事、録音環境が変わった事、進行状況に比べて発売日までの期間が圧倒的に短かった事などを何とか乗り切った点は努力したと言える。その反動なのか、作り終えてしばらく、新しい曲を作る気になれなかった。1stの時と違って、何度も繰り返し自分でも聴いた。最初は満足感が大部分を占めていたが、そのうち反省点がどんどん見えてきて、ようやく次の作品に向かう気力が出てきた。去年の同じ時期からするとできている曲数は半分だが、アルバムを出したいという意欲だけは変わらない。頑張って少しでもいいものを作ろうと思う。

来年もよい音が降りますように。

2003.12.27. 作曲・作詞日記

B01と呼ぶべき処のオケ。最初にコード、次にピアノをつけたらそれだけでもう何も要らないような気になったのだが、少し迷った末、『爆発』の効果音を入れた。このBメロの部分は随分前に書いた断片を使っていて、その内容からすればこの効果音は当然といえば当然のものだ。余り分かりやすすぎる表現はどうかとも思うので、このままにするかそれとも取るか、作りながら少し考えようと思う。

『今回の事件に関してはミュージシャンとして黙っている方が難しい。』−師匠はアルバム『BLUE LIMBO』の解説の中でこう言っている。この発言は師匠にはとても相応しいと感じたが、私もそうなるとは、このインタビューを読んだ時点では思っていなかった。自分の音楽はまだその域まで行っていないと考えたから。しかしこの出来事−師匠が『今回の事件』と言っているものとは厳密には違うようだが−は繰り返し、私の言葉の中に現われる。しかし私も師匠と同じように、それによって反戦を訴えたいのではない。今どんな事が起こっているのか。TVなどから与えられた情報は果たしてそれで全てなのか、それが真実なのか? と疑う事。それも含めて、この出来事について考える事。そして最近よく思うのは、自分の身近にある悲しみと、遠い国で起こっているあれらの出来事とは、どちらが大きいのか? 或いは、それは『大きい』とか『小さい』という感覚で片付けられるものなのか? という事だ。

2003.12.26. 作曲日記

A02のオケを固めていく。前の一節と区別するため、とにかく伸ばすオケにしようと思いながら作り始めたのだが、作業を終える頃には最初のイメージとは全然違うものが出来上がっていた。うん、まぁ、よくある事だ。次も同じフレーズだけど、詞の繋がりを考えて二小節開ける。

23日に、突然思い立ってフーリューズのクリスマスCD『栗鱒』を聴いた。何年振りだろう。聴きながら彼らに対しての気持ちをじわじわと思い出し、何とも言えない気持ちになっていた。そして今日、古いフォルダをひっくり返していたらフーリューズ友達に書いたメールが出てきて、それを読み返して更に色々思い出してわーっとなりかけた。つくづく考えるのは、私はやはり彼らに未練があるのだな、という事だ。不本意が多かったであろう最後の数年間をリアルタイムで見ていて、散々熱くもなったし、腹も立てたし、心配したり少し喜んだりどきどきしたり、こんな付き合い方をした音楽も他にないなぁと思う。そして結局は解散という選択肢を選んだ彼らに、まだ私は未練があるのかなぁと思う。未練というのか…とにかく『勿体無い』という言葉に尽きる。フーリューズを続けて欲しかった訳ではないけれど(どちらかというと寧ろ逆だけど)、二人が道を分かつ事自体が勿体無かったのだ。共同作業を続けていけるパートナーを見つけられなかった私は、互いに補いあったり高めあったりできる二人の関係が羨ましかったのかも知れない。

2003.12.24. 作曲日記

Aメロのオケを固めていく。作っていて純粋に楽しいのは、こういうのが私が最も得意とする曲調だからなのだろう。エレクトーンを習っていた頃、他の子は明るくてテンポの早い、派手な曲を弾きたがるのに、私はゆっくりしっとりと聴かせる曲を好んでいた。発表会ではそれがいいアクセントになっていたらしい。

自分が言い出して始めた癖に、私は練習が大嫌いだった。レッスンは確か土曜日で、三日か二日前にようやく手をつけて、当日も行く前にちょっとだけ浚って教室に駆け込んでいた。それでも練習曲を大抵一週か二週で片付けていたのは、今と違って当時の私が少しは『弾ける』子供だったからだと思っていいのだろうか。弾けていないと注意された記憶は余りない。ただいつも音量は小さすぎると言われ続けていた。いい生徒であるという自覚は微塵もなかったが、とうとう堪えられなくなって辞める旨の電話を母にしてもらった時、先生が『才能があるから、とにかく音楽を続けさせて下さい』と言った…とかなり後になってから聞かされた。半信半疑と言うより、殆ど信じなかったという方が近いが、その後吹奏楽を経て、今こうして自分で曲を作っているという事実を思う時、私はきっと先生のその言葉を思い出す。

2003.12.23. 録音・作詞・作曲日記

『天水』と『simple cheers』。練習の域を出ない。『空に溶ける赤』も歌ったけれど録音する処まで行かなかった。『天水』の歌い方を少し考えてみるが、結局元に戻す。『simple cheers』はいつ歌っても平均点が出るのでどれを採用するか、が難しいタイプの曲。

それから曲作り。少し前に書いた詞の断片が生きた。音程的にはさほどでもないながら、歌うのが難しい曲になりそうだ。

2003.12.16. 作曲・作詞日記

やっぱりと言うか何と言うか、やっぱり独立した。歌メロがついて、詞が書けた。まだほんの一節だけど、どちらも非常にするすると出た。ドラムのいない曲を作りたいと少し前から思っていて、これがその曲になりそうだ。

2003.12.15. 作曲日記

日を改めて聴き返した結果、これでいい事にした。気になった部分の音量調節。ドラムのブライトネスをちょっと低くしただけで俄然いい感じになった。なんかしゃかしゃかしてうるさかったのだ。タイトルは『simple cheers』。私にこんな詞が書けるとは思ってなかったなぁ。

そのまま新しい曲の作成に取りかかる。ずっと前(今ファイル情報を見たら99年)にAメロとサビのメロディだけ作って放ってあったのをやっぱり何とかしようと、音程の調節。作り続ける気にならなかったのには訳があって、かなり平沢節っぽいのだ。…いや、これでは正確でないかも知れない。いかにも平沢進に影響を受けたっぽい節、なのだ。しかしそれだけにメロディ運びは気持ちいいのでふと構ってみる気になったのだが、前奏をつけようとしたらいきなり違う雰囲気になってしまって、これはこれだけで独立しそうな気も少しする。

2003.12.10. 作曲日記

そんなつもりはなかったのだけど、結局最後のサビにそのままのテンポで4小節を足して終わり、になった。何となく思いついたのを試しにやってみた。これで完成とするかどうかはまだ分からない。日を改めて聴き返そう。『天水』の冒頭もテンポダウンにしてみる。歌を強調してみたくてやったのだけどどう出るか。

札幌で或る楽器店に行き、音源について色々聞いてきた。結果、今のMacに接続できるのは一世代前(或いはもっと前か)の機種であるという結論に至った。かろうじて二種類だけ接続可能な音源が店頭にあり、音を聴かせてもらった。そのうちの一つは全くピンと来なかったが、KORGのTR-Rackという機種はなかなか面白い音が出た。ただ、店員さんの言う通り音が硬い印象はあった。買うとなると締めて7万くらいかかる。音を聴いた直後はかなり心動かされたが、冷静になって考えてみるとそれで古い音源を買うより、Macを買い換えた上で新しい音源を買った方がよいのではないかという気がしてきた。元々Macも買い換えを考え始めていた処だったので、いっそそうする事にする。Appleのサイトで値段を見たらPower Macシリーズは高い。とても手は出ない。比べてiMacは頑張れば買えそうな値段ではある。私の場合、ネットができてPerformerが動けば問題はないので、そんなにものすごいパソコンでなくてもいいのだ。

2003.12.6. 作曲日記

後奏をつけようとしたのだが全く音が降りて来なかった。最後のサビの後、中盤に出てくるオケが頭の中では繋がったのだけど、その終わり方は別の曲でやっているので避けたいのだ。結局『歌終わり(テンポダウン)』にしてみて、後日聴き返して判断する事にした。

昨日、札幌で或る演劇の舞台を見てきた。登場人物の一人である医師が言ったセリフが印象的だった。感染症をなくそうとしている研究者に対し『私は「人類(を救おう)」などという大きな範囲は考えた事がない。あなたは私よりもずっと立派な人間だ。しかし、もっともっと身近な処にも、苦しんでいる人がいるという事を知って欲しいんだ』−おおよそこのような意味の事を言ったのだった。国民、国家、人類…それは確かに途方もなく大きな範囲だ。それらは少なくとも、私一人の力ではどうにもできない処で動いている。それらは余り実感がない。それよりももっともっと身近な死が、私に取ってはずっと大きな事柄だ。この曲はそれについて書いたはずだが、しかし、こうして見るとまるで今世界で起こっている事について書いたかのようだ…と、さっき『天水』の詞を読み返しながら考えていた。

2003.12.2. 作曲・作詞日記

強い音が足りなかった部分に、おそらく足すだろうと思っていた音を足した。D1を仕上げ、ラストのサビへ。1のものを2にするか、1.5にするか、前の1を2にしてここを1のみにするか、色々考えたが1.5で行く事にした。その場合は更に、歌終わりにするか歌終わり(テンポダウン)にするか後奏をつけるか、といった選択肢がある。今日の処は単なる歌終わりになっているが、後奏をつける案が有力。

2003.12.1. 作曲日記

D1の昨日作った部分に更に音を足す。それでも何かこう強い音が足りない。どうしたらいいのか。

音源を新調するために検索を始めている。何となくMUシリーズがいいだろうと思って調べてみると、MU500、1000、2000というのがある。2000って。しかもどうやらこの三つは音の数は一緒であるらしい。何だ。何が違うんだ。今の処500が有力だが、どうも音源自体には音色変更のボタンなどはついていないらしい。パソコンに繋げて、パソコン側でそれらの操作を行う…という事のようではあるが、果たして私の環境で動くのか甚だ不安。これを買うならよくよく問い合わせてからにしなければ。それともいっそRoland音源に乗り換えようか。

何にしても、音を聴かずに音源を買う羽目になるとは思っていなかった。5日に札幌に行く予定があるので、その時どこかの楽器屋で現物を見てくるという手もあるが、現物があるかどうかが問題だし、またそのような時間があるとも思えない。旅はいつもハードスケジュールだ。

2003.11.30. 作曲日記

ここ数日、曲作りを始めたと思ったらMacの前で眠り込んでしまう日が続いていた。全く情けなく自分が嫌になる。今日はようやく、D1の後半のオケが少しできた。昨日までどうもしっくり聴こえてこなかったのだけど、これで少しよくなった気がする。テンポを上げるかどうか考え中。

『空に溶ける赤』『過去から照らす星』『明日散る桜』をC社に、『空に溶ける赤』『燃えるような空』『暖かな光』を前回も送ったB社にデモとして発送した。後から気付いたのだがそれは27日だった。11月27日…ふむ。

2003.11.19. リマスタリング日記

マスタリングをやり直す事をそう呼ぶのなら、これはリマスタリングに違いないのだろう。『燃えるような空』『過去から照らす星』『fact and crime』『暖かな光』『明日散る桜』をデモ用に取り直す。いい加減慣れてもよさそうなものだが、やり直しの連続。どうせCD-R一枚潰すなら、と欲張ったのがいけなかった。消耗した。選曲は『空に溶ける赤』『燃えるような空』『暖かな光』『過去から照らす星』『明日散る桜』の組み合わせが有力。

2003.11.17. マスタリング日記

『静嵐』『空に溶ける赤』『天水』のマスタリング。もちろんまだアルバム用ではないけれど、よく聴くと『空に溶ける赤』は何だったらこのまま収録してもいいくらいのテイクだった。まずバウンス処理でボーカルエフェクトとトラックごとの音量を録音。それからマスタリングモードで全体の音量を録音…するのだが、これに手こずった。音量が高すぎると音が割れるので、そのギリギリの部分を探すのに全曲5回くらいずつやり直した。リハーサルで割れなくても、マスタリングし終えると割れたりするのだ。もうやだ…。

しかし何とか終わったので、レコード会社に送るデモMDにしようと思う。3曲送るとして『空に溶ける赤』は決まりだが、あと二曲をどうするか。『静嵐』は論外として、『天水』はどうかなぁ。今作っている曲がすぐにでも完成すれば、それを入れたいのだけどまだ終わりそうにはない。『美しく過ぎる日々』から選ぼうか。今回デモを送る予定は二社だが、そのうちの一社は前回も送った処なので『過去から照らす星』『fact and crime』『明日散る桜』は使えない。あと送れそうなのは『燃えるような空』『月光翊』『暖かな光』辺りか。一般受けしそうなのはダントツで『暖かな光』だけど、一般受けを狙うのがこの場合是か非かちょっと判断がつかない。

2003.11.14. 録音・作曲日記

『天水』。まだまだ通して歌うのが精一杯の状態。どこにどんな波を作るか、漠然としたイメージはあるものの、実際歌っていると置いていかれないよう通り過ぎるので必死になってしまう。『静嵐』。今日はこの曲がちょっと好きになった。前回の録音で入った変なノイズは、原因と思われる音を取り除く事で消えた。これももっと歌い込んで、色々変化をつけねばならない作品。とりあえず、今日は『溶けて』を別トラックに分ける事に決めた。言葉の通りの歌になるのが理想だが、できるようになるだろうか。以前から迷ってはいたのだけど、とうとうテンポを上げる。

作曲。D1のオケ。ちょっと予想していなかった感じになった。これで固めるかどうかは保留。詞をもう一行足すかどうかで迷う。韻を踏む言葉を思いついてしまったのだけど、流れで行くと特に要るものでもない。どちらを取るか。

ふと、近頃私は『繰り返す』事が怖くなくなってきたのだな、と思う。メロディでも、詞でも、一つの作品の中に全く同じパターンが出てくる事が怖くて、必ず何か変化を入れていた。しかしその変化も絶対に必要なものではないのかも知れない、と思えるようになってきた。

2003.11.11. 作曲日記

間奏のオケ作り。一旦完成してから時間を置き、聴き直して一部作り変える。D1のメロディ作りの続き。詞先行のため小節の数が何だか合わず、しばらく試行錯誤。やがてできてリズムパターン作り。詞先行だと、ワンパターンになりがちなドラムに動きをつけやすい。言葉に合わせて適宜フィルインを入れる。

2003.11.10. 作曲日記

気になっていた部分の手直しを全体的に。特にサビのドラムは一旦消して、必要だと思われる音のみを入れ直す。幾らかすっきりした。それから間奏のオケ作り。大体の長さが決まった処で、後に続くD1のメロディを最初だけ作る。早い段階で前後の繋がりをつけておかないと、後で苦労するからだ。間奏は途中でドラムを抜く事を決める。取っかかりのフレーズと、コード取り。

2003.11.9. 作曲日記

Bメロのオケを終わらせる。そのつもりはなかったのだけど、前半ベースを入れないで置いていたら何となくそれもいいような気がして採用した。今日聴いたら、サビのドラムにどうも違和感がある。何だかすっきりしないのだ。ハイハットの位置が悪いのだろうか。少し動かしてみる事にしよう。

来月横浜と東京に行く予定があったのだが、中止になってしまった。二つ楽しみな事があったのでとても残念だけど、その分貯金して早く音源を買おうと思う。

2003.11.7. 録音日記

『空に溶ける赤』と『天水』。『天水』は三回歌うと録音が嫌になる曲である事が判明。疲れる。この作品は歌始まりであるのだけど、多分他にもっとやりやすい方法があるであろうにも拘らず、わざわざ一番やりにくいと思われる方法で録音を開始。ひどく苦労すると予想していたが、割とすぐにタイミングは合った。本録音の時もこんな風に行けばいいけど。二回歌って、やはりどうしても一番低い音が潰れるので、もう半音上げる。こんなに音を動かすのも殆どない事だ。結果的に、上げた方がいいような気はした。

『空に溶ける赤』。『天水』もそうだけれど、VF80に変えてからDATではできなかった録音の仕方ができる事が嬉しい。これにエフェクトをかけると更に嬉しい感じになるはずだ。やはり低い音が少し潰れ気味だが、これももう既に半音上げてある。高い音がギリなので、低い方は頑張るしかないなぁ。

Macの中を少し整理しようとあちこち開けたり閉めたりしていたら、昔書いた師匠についての文章が出てきた。私の最初のサイトに載せるつもりで、結局公開はしなかった…と思うが、忘れてしまった。読み返して、自分がその頃そう思っていた事を朧げながら思い出した。この文章を公開する場はもうないけれど、何となくそれをきっかけに詞の断片ができた。これも、『過去の自分とのセッション』の一環になるだろうか。

2003.11.4. 作曲日記

イントロに少し音を足し、Bメロのオケに着手。苦労したAメロとは逆に、すいすい音が降る。いつもと違うクオンタイズのかけ方にも少し慣れて、珍しい事にタイトルもぽんと思いついた。まだこれに決めるかどうかは分からないが、多分確定だと思う。英語。

2003.11.2. 作曲・作詞日記

ここ数日、イントロをほんのわずかずつ作っていたがそれ以上はなかなか進まなかった。今日ようやくA2の形を決めて先へ進む。A1とオケは一緒で、メロディを少し変えた。それからサビ2の後の作詞。これでもうほぼ全体の骨格が見えてきた。余り長い曲にはしないつもり。

2003.10.28. 作曲日記

本当はもっと先にしようと思っていたのだけど、A1にすぐサビを繋げた。オケ作り。んむむ…なんか…なんかこう…。時間はあったが余り進まず。作ってなかったイントロに着手するも、骨格すら決まらず。これはいつも以上に苦労する曲だなぁ。

今年は年末までお金を使うイベントが目白押しなので、来年になったら貯金して音源を買おうと思う。いや、ずっと思ってるんだけど。MU80の上位機種がいいのかも知れないが、MTRを買った時と同様、何にも分からない。ストリングスと、シンセっぽい音を強化したい。また同じ楽器屋さんで買おうかしら。後は、今年中にもう一度くらいどこかにデモテープを送るのが目標。

2003.10.25. 作曲・作詞日記

ここ数日、やってもやっても音が降ってこなかった。やっと少しだけ進むも、まだA1が終わらない。イントロすら作っていない。やっぱりこういう曲調は向いてないのかなー。しかし、今まで余りやった事のない事に挑戦しようと決めたのだった。詞先行なので小節の数など定型からはみ出している。これは近頃よくある事だ。

一段落してから、先日作り終えた曲の詞を完成させる。『天水(あまみず)』という言葉は最近よくやる変え字遊び(当て字ではない)で思いついたものだが、調べると雨水の事を古語ではこう書いていた様子。天津水(あまつみず)、天水、雨水…という訳らしい。まぁ、ネットで調べた情報だから全面的に信じていいものかどうかは分からないが、不思議ではない。

2003.10.22. 作曲・作詞日記

ようやく一曲完成する。ずっと一か月に一曲ペースだ。せめて倍のスピードにしたいと思った途端に風邪を引き、戦う前に負ける結果となる。しかもこの曲はまだ詞が確定しておらず、タイトルも決まっていない。ラストはサビの繰り返しで終わるのだけど、飽きるかと思って裏メロを入れた。その部分の詞がまだなのだ。

大変珍しい事だが、オケを完成させるのももどかしく、すぐに次の曲に取りかかる。サビの詞が一番初めに浮かび、それを核として作る。A1の詞がすらすらとでき、それにメロディをつけていく。今年四曲目だが、同じテーマで二曲ずつ作る事になる。これと今年の一曲目は同じテーマではあるものの、曲調は正反対と言えるほどに違う。私には余りない感じのものなので、どうなっていくか楽しみ。

2003.10.18. 作曲日記

いい加減もう飽きているのだけど、ノドの痛みがまだ取れない。そのせいなのか何なのか、近頃ちょっとした事ですぐ苛々する。瞬間的にものすごくかっとなる事がよくある。その殆どがバイト中に起こっている訳で、家に帰ってくる頃にはくたくたになってしまっている。何もしたくない日が少し続いて、今日ようやく曲作りをする気になった。

最後のパーツのオケ。ドラムを入れない事にして、思いついたままのフレーズを、適度に音色をバラけてどんどん入れる。あとはサビを足すだけだ。ようやく終わりに近付いてきた。先日歌ってみてちょっと間を持て余す感じがしたので、テンポを2上げる。

2003.10.15. 録音日記

『空に溶ける赤』『静嵐』のテスト録音。ノドが完治していない割にはうまく歌えた。しかし2nd完成以来全く録音していないので、既に操作が危うい。『空に溶ける赤』、A1のドラムが予想以上にうるさかったので慌てて下げる。『静嵐』、歌が始まった直後にオケにノイズが入る。これは録音していない時でも起こったり起こらなかったりする現象で気になっていたのだけど、二度取って二度とも入っていた。多分ここに入っている音が原因だとは思うのだけど…。

それからまだ完成していない新曲を、できている処まで歌う。どうやって録音を開始するか途方に暮れた。何かよい方法を考えなければ。

2003.10.14. 作曲日記

ばっさり切ってA3となった部分のオケ。体調が悪いせいなのか、いつもにも増して集中力が続かず、一日中眠くて仕方ない。10時間以上も寝たのにだ。ノドは依然として痛いが無理矢理歌っていたら、一時よくなった気がしてその後悪化した。B2はドラムを抜く方向で検討中。そろそろ終わらせなければ。

『空に溶ける赤』の気になっていた部分の手直し。最後のサビを少しうるさくして、それから半音上げた。どうしても一番低い音が潰れるから。

2003.10.12. 作曲日記

突然思いついた。A2を半分でばっさり切った。そして後の二行に別のメロディを考えた。これで少し展開に変化がついたように思える。全体の構成も見えてきた。

2003.10.11. 作曲日記

体調不良のため数日曲作りができなかった。強引に復帰。B2ではなくA2のメロディを変えようかと思い、考えかけたのだがすぐ諦めた。メロディはやはりB2を変える事にして、A2のオケに少し手を加える。

ところで掲示板が表示されなくなっている。一時的なものかと放っておいたら一日以上直らない。おかしいなと思いつつ、レンタル元のサイトに行ってみたらNOT FOUNDになっていた。あらあら。今時まだこんなやり方でなくなるサイトあるのねぇ。これまで幾つもの掲示板を見送ってきた私には特に驚くような出来事でもないが、早く次のを探さなければ。

2003.10.7. 作曲・作詞日記

サビの仕上げ。捻らない音符で刻むようなこういうのは久し振りのような気がする。曲の方が一段落したので、Bメロの作詞。おそらく高校時代に書いたと思われる断片から二行を取り出し、この曲に必要な形に変えて使う。サビは既に固まっているので、そのままA2とB2も作る。B2のメロディを変えるかどうか考え中。

2003.10.5. 作曲日記

昨日の続き。メロディとは関わりを持たないフレーズを更に足す。結果的に、オケはオケのみで独自の雰囲気を持ち、メロディだけが全く関係ないような顔をしているパーツになった。私の曲には珍しい事ではないけれど、今日特にこの事を意識した。

計画性よりもひらめきが大事であるような表現方法を採っていると、自分の中だけの法則ができている事に気付きにくい。いや、気付いていないと言うよりは、感覚では分かっているのだが言葉にできるレベルにはなっていないと言うべきか。或る日突然『そうか、これが私のやり方なのか』と思う事があるのだ。これは私の迂闊さがもたらす現象なのだろうか。自分の中の何かを人に説明しようとして懸命に言葉を尽している時に『成程これはこういう事だったのか』と言いながら自ら理解する事もある。…どうも迂闊と言うより他にない気もして来たが、時には『言葉にしてみようとする努力』をするのも必要なのかと思う。

しかし、これは何年も前から分かっていた事だが、私には瞬発力というものが殆どない。ひらめきに頼るよりは計画を立てて動く方が、少しは増しな結果を残せる質なのだ。そんな自分がどうして音楽をやっているのかと考えると不思議でならない。ただ、鍵盤の上に指を置いていると、音はどこからか降ってくる。これは私の中の『ひらめき』を確認する唯一の手段なのかも知れない。

2003.10.4. 作曲日記

いつもとは全く違う時間に曲作りをする。作曲の時間を変えてみる事は少し前から考えていたのだが、今日ようやく実行できた。変えたからどうという事はないのだが、気持ちの問題。しかしまだよく分からない。

Bメロのオケ作り。Aメロとサビを派手にする事を決めてあるので、ここは少し落としておく。ストリングスでコードを入れるのに、高い音を上のオクターブ、低い音を中のオクターブ、中の音を下のオクターブというややこしいやり方で入れた。気がついたらそうなっていた。しかし聴こえはいい。

2003.9.30. 作曲・作詞日記

ちょこちょこやっていたAメロを継続しつつ、Bメロへ。メロディは割とすぐできた。Aメロのオケはイントロからの流れで行こうと考えていたらしい事に、何日か空いて再開した時に気がついた。変化をつけねば変化をつけねばと思いすぎて変な方向に行っている気がしたので全体を見て調整。まだBメロに行っていないのに14くらいトラックを使ってしまっている。詞を一行書く。

2003.9.25. 作曲・作詞日記

ちょこちょこやっていたイントロを終え、Aメロへ。オケをつけているうちに、詞の内容がオケを生かしたり殺したりする気がしたので詞を作る。…が、それを今読み返していたら何だか違う気がしたので、字数を変えずに全く別のものに書き換えた。メロディはまだ頭に入っていないので、これが合うかどうかは甚だ疑問だが、この作品は特に『音のない状態で読んで美しい詞』にしなければならず、そういう意味ではさっきより増しになったと思う。

2003.9.21. 作詞・作曲日記

また新しいファイルを作る。しかし今度のは行けそうだ。曲ができるのに重要な要素のうち『やりたい事』がはっきりしているからだ。これもまた例によってバイト中に思いついた一行が核となっているが、それは俳句を考えている時に浮かんだものだった。私にはそんな習慣が全くないにも拘わらず、この時は俳句を考えていたのだ。そして一行を得た。もしかしたら俳句ではなくて、詞を考えていたのかも知れないなぁ、と思う。

2003.9.19. 作曲日記

母の個展が何とか終わって、曲作りを再開した。が、どうも軌道に乗らない。一日に1フレーズやっと作ってぜいぜい言っている。詞の核になる一節は沢山あるのだが、どれから手をつけるかなかなか決まらない上、核に行くまでにどんな詞を書くかも全く考えていないのだった。

先日完成した曲のタイトルは『空に溶ける赤』。その一つ前にできた曲は『静嵐』とする。

2003.9.8. 作曲・作詞日記

気になっていた部分を全て手直し。間奏とラスト部分の音量上げ。ものすごく余韻が残る音色(その名もEchoes)の余韻をリリースタイムでカット。代わりに一番最後のドラムの音に余韻を持たせてみたが、通常ヴァージョンと、逆に余韻を切るヴァージョンと聞き比べてみた結果、余韻を切るので行く事にする。それから詞を書き直す。昨日決まらなかった5文字を、昨日から候補にはあった方にしてみる。昨日よりはいいような気もするものの、うーん。サビ2の一節もその後の部分との折り合いを考えた結果、ちょっと変更。こんなに何度も書き換えなければ固まらないというのも、我ながら情けない。詞先行を始めてからこういう事が多くなったようだ。

2003.9.6. 作曲・作詞日記

一応形にはなった。後は全体の音量調節と、ラストをもう少し何とかして、タイトルを考えるだけだ。詞の最初の一節に弱点を見つけてしまったので書き直す。が、どうも決まらない。うーん。5文字。

2003.9.5. 作曲・作詞日記

下の日記に書いた『なんかこう、がくっと落ちる感じ』は多分成功していると思う。

さて、詞の最後のパーツだが、下の日記で書き直したものを書き直す前の状態に戻した。それにはもう粗方メロディがついていたので、前の部分から繋げて聴いてこれで行く事にし、オケをつける。今日は前半部分。それからラストのサビの詞を少し変える。

この曲は8月10日の日記に書いたように、『とてもやり切れない、痛ましい話』を聞いた事が動機となって作っている。それは人づてに聞いたのだが、昨日、その出来事の当事者に偶然に会い、更にやり切れない話を聞いてしまった。最初は『自分の目の前で、飼い猫が車に轢き殺された話』で、次が『近所の住人に飼い猫を蹴り殺され、数日間その事実を隠蔽された上、ゴミとして捨てられそうになった話』だ。ああ、全くやり切れない話だ。今これを読んだあなたも、この話について何かを思って下さい。それだけで充分です。

2003.9.1. 作曲・作詞日記

間奏のドラムをElectricからAnalogに差し換える。四小節だけ。なんかこう、がくっと落ちる感じが欲しかったのだが成功したのだろうか、これは。

それからその後の詞にメロディをつけ始めるも、難航。そのうち詞そのものに『果たしてこれでいいのか』と疑問を持ち始め、書き直す。結局今日は固まらず。

2003.8.29. 『美しく過ぎる日々』全曲解説・10 >『明日散る桜』

さて、長かったこの全曲解説もようやく最終回です。読んで下さった方、ありがとう。

完成は2002年6月24日、『燃えるような空』の次に出来た曲。当時の日記を読むと、『アルバムのラストに据えられるような曲』だと作り始めた頃から言っている。『明日散る桜』という言葉が一番最初にあり、それはこの年の桜を初めて見た日に浮かんだものだと記憶している。冒頭の音は桜の花びらが散る処をイメージして作った。これも詞先行だったのか、サビに行くまでにメロディが三つもある。しかしオケは別として、メロディ作りにはそれほど苦労しなかった。

一番は具体的な出来事とそれを起こした人の事を考えて書いた。はっきりした背景があっても、歌の向く方向がそれだけに限定される事は殆どない。誰か一人だけに言いたいのなら歌にする必要はないのだから、範囲が狭まる事のないよう心掛けているつもり。だが、二番はまさに『私のため』に書いた。こんな事は今まであっただろうか。思い出せない。あったかも知れないが、思い出せないほど昔の話だ。

才能が枯れる時が来る、その可能性に初めて思いを馳せたのはいつの事であったろうか。枯れるかも知れないし枯れないかも知れない。花開くかも知れないし、一生を光を浴びる事なく終えるのかも知れない。そんな不確かで覚束ないものだが、才能そのものがないとは思いたくないのだ。咲いてすぐ散る桜のようなものであったとしても、私の歌が誰かの心に響く事があるのなら、皆が忘れた頃にまた咲くような花でありたい。そんな事を、この詞を書く時に考えていた。自分にはすぐに枯れる事のない才能があると必死に信じて。

2003.8.29. 作曲日記

間奏作り。形が大体固まる。そんな気なかったのに起承転結的な音運びになってしまって少し困惑。しかしまぁ何とか骨組みはできた。時間的にはそろそろ終わりに向かってもいい頃なのだけど、それでは詞が足りないように思えてやはり次の一節も作ってみる事に決める。

2003.8.26. 作曲日記

サビ2後半のオケ。最後まで進んで、これでサビ2がおおよそ固まった。メロディを入れて聴き返して、余りにかけ離れている部分を少し調整。これまでは一つのフレーズに使うトラックの数を統一してきたが、この曲では入れたいだけ入れてみている。その後、間奏作りに入る。

2003.8.23. 作曲日記

サビ2の前半のオケ。メロディがどこともカブっていないので一から作る。重ねていくうちどんな音になるか楽しみでもある反面、一度つまずくと抜け出るまでが長い。半分くらいしかできず。

2003.8.19. 作曲・作詞日記

イントロ2までのオケが大体固まったので、次の歌詞にメロディをつける。メロディと小節数を調整しながら言葉を足し引き。これまで詞先行の場合、飽くまで詞を優先してメロディをつけていたのだけど、それだと流れ的に無理があるように聴こえる事があるため、小節を足して言葉を入れて流れを見る、という作業をした。今日の処は大体許容範囲。オケを少し作る。

2003.8.13. 作曲日記

サビのオケ。足しても足しても足りない気がしてしまう。Aメロをできるだけシンプルにしてみた結果、サビが派手でないと釣り合いが取れない気がしてあれもこれもと入れているが、うーむ、まだだなぁ。

昨夜、真っ暗な部屋で月を眺めていた。見ているうちに月が二つになり三つになりした。ついにはそのうちの一つがはっきり本体から離れて、落ちて、私の視界から消えようとした。空から落ちる月というのは見た事がない。

2003.8.12. 『美しく過ぎる日々』全曲解説・9 >『窓辺の椅子』

トラックは15、コーラスのガイドに1使っているから実質14。オルガン系、笛系、ベル系の音に多くトラックを割いている。できるだけシンプルなオケになるように作った。一番と三番の歌詞が同じだが、これは私の作品では非常に珍しい事である。普段は安易な気がしてやらないのだけど、この詞に関して、余計なものもいらないし、これ以上のものもない、と確信していたのでこうなった。完成は2003年1月20日。だが詞は前年12月15日の時点で固まっている。この作品の動機については11月22日の日記に詳しく書いた。一番、三番はこの時に書いたもの。二番だけは後からできた部分で、友人の親切で見る事のできた或る芸術作品の印象的なラストシーンと、その作品を作った一人であるアーティストのサイト上の日記に書かれていた、降る雪に色がついていたら、虹が降ってきたと思うだろう−という意味の言葉に感動してできたもの。これは今作に収録した他の幾つかの詞のように、見たものが衝動となったというよりは、自分のうちに溜めていた感動が需要に合ったパターンだ。

夢の中で彼が座った窓辺の椅子は、まだこの家の中にある。それは同時に、最期の日、彼が柔らかなタオルに包まれ、そっと置かれていた椅子でもある。早足に帰ってきてドアを開け、その光景を一目見た時、『ああ、やはりダメだったか』と思った瞬間の事を、私は今も鮮やかに覚えている。

2003.8.12. 作詞・作曲日記

完成している曲の、詞の最後の四語を埋める。タイトルもあれこれ考えたが決まらず。漢和字典や国語辞典を眺めたがダメだった。保留。

それから作曲。サビのオケ、音だけ取った感じ。イントロのフレーズが耳慣れているのが始めから気になっている。これは私の昔の曲で使ったものだろうか。それならまだいいが、他人の作品だとシャレにならない。思い出そうとするもうまくいかない。私っぽいフレーズではあるのだけどなぁ。

2003.8.11. 作詞・作曲日記

昨日の続き。イントロとAメロのオケ。サビのメロディと詞ががっちり決まっているだけに、そろそろ歌の入りを作っておかないと後で合わなくなりそうで不安になり、考えた。サビ後の詞もこれだけあれば足りるだろうというくらいにはできている。今この曲に興味が行きすぎて、完成した曲のタイトルなどを検討する気に全然ならない。

2003.8.10. 作詞・作曲日記

先日から作っていた曲は昨日で一応完成した。が、詞があと四語ほど残っていて、タイトルもまだ決まっていない。

とてもやり切れない、痛ましい話を聞いてしまった。帰りの運転中に突然詞が浮かび、パソコンの前に座ったらメロディがついた。溢れるように出てくるのを記録するのに苦労した。最初に思いついたメロディが、どこにでもありそうなJ-POPっぽい感じだったので珍しく、意図的にそれを生かす事にした。こんなバカバカしい事で包まなければ救いようのない曲になる予感がしたのだ。

2003.8.7. 作曲・作詞日記

新しく作ったパーツのメロディを固めようと思ったが固まらず。オケも全然できず。集中力も途切れた。余り同時進行はしたくないのだが、もうほぼ形にはなっているのだからと思い、次の曲のメロディ作りに取りかかる。サビにしようと決めていた断片のメロディは既に作ってあったので、そこからAメロの詞を書き、音をつけていく。詞先行にありがちな、無理のある形になってきたので違和感をなくそうとあれこれ試し、余計にぐちゃぐちゃになる。やめた。

そして今、これを書くためにもう一度詞を見たら新しい言葉が浮かんできた。これで進むだろう。

2003.8.5. 『美しく過ぎる日々』全曲解説・8 >『暖かな光』

完成は2003年3月26日。今作の中では一番最後にできた作品だが、ファイルの作成は前年の9月17日。Bメロまで作って放り出していたのを、曲数調整のために慌てて作ったものだったりする。そのせいか、ものすごく私らしい曲になっていると思う。自画自讃ではなく、私がよく使うパターン(癖と言ってもいい)が非常に多く盛り込まれているのだ。間奏だけはちょっと面白い。それぞれのフレーズが他と関わっていないにも拘らず、それほど違和感なく聴こえる。曲先だったので、詞には随分苦労した。書きたい事が決まっていない状態で作り始めたため、音から言葉を聴き取る作業から入った。メロディを繰り返し繰り返して聴く。すると言葉が聴こえる事がある。それがすなわちそのメロディに最も合う言葉なのだ。

この曲を作り出した頃に師匠の夢を見た(3月7日の日記参照)。それが詞の内容を決める事になった。つまり詞的には『capella』と近い関係にある。完成前の日記には『どんどんラブソングみたいになってくる』と書いているが、今読んでもそう思う。ただ『不思議な暖かさで 私を満たす人』という一行だけは、師匠への思いではない。これはもっと最近に感じたこと。

2003.8.5. 作曲・作詞日記

既にあるパーツに音を足す作業。作業前に思い浮かべていたものとは全然違ったが、とにかく音は足された。それから先日作ったパーツに音を足す作業。終わり方も決まり、これで完成かと思ったが、聴き直してみると何だか呆気無かった。そこで最後のパーツの前にもう一節入れる事にして詞を書く。高校時代に書いた別の断片から三語くらい持ってくる。これでようやく形になった。もう一息。

2003.8.3. 作詞・作曲日記

既にあるパーツに音を足す作業をしているものの、何も思いつかないので先へ進む事にした。全体の形を考えた上で詞の残りの一節を書く。そしてメロディをつける。この詞は元々高校時代に書いた或る断片だったのだけど、今日見直してみたら一行と一言くらいしか元のものは残っていなかった。今日書いたのも別の断片から引っ張ってきたものだが、形だけ使って言葉は変わった。過去の自分とのセッションはなかなか難しい。過去すぎるのか。

母の書の個展が来月に迫っている。雰囲気的にはどうも、新作は一点もできていないようだが間に合うのだろうか。期間中は私も会場に行く事になる。前回の個展はいつだっけ、と考えてすぐに思い出した。前回も9月だった。あの年の9月20日は、私が人生最初のアルバムを発売した日だ。特別な喜びの日となるはずであったのに…と思う。あの時の事は脳裏に焼きついて離れない。忘れたいが忘れられない。今はもう『終わった事』になっているはずであるのに、記憶は時々不意に鮮やかによみがえって私の中を嵐のように吹き狂う。精神が不安定になっているのを感じる。

2003.8.2. 作曲日記

こういう曲は本当に時間をかけないと出来上がらない。微々たるものだが音を足す。ここまででもう詞の内容は固まってしまった感があるので、後をどうすべきか悩む。余りの進まなさにうんざりしながら『PHANTOM NOTES』(師匠の日記的ページ)を見に行ったらタイムリーな事が書いてある。こんなの欲しいなー。私の装置はどこにどんな姿で在るのやら。

数日前、デモテープを送ったT社から『一次審査通過に至らず』のハガキが来ていた。この結果自体はどうという事もないが、宛て名部分がなぐり書きにも程があるきったない字なのでそれを見てヘコんでしまった。返信用の50円切手の行く先がこれか。きっと一日に何十枚もこういうのを書かされるのだろうなぁ。『もうやってらんねーよオレ』という心の声が聴こえてくるような字だ。しかしこれは今後幾つも乗り越えなければならないであろう事柄の一部だ。あーあ、早く就職したい。

2ndが出てからまだ一曲も完成していない。次のアルバムは来年夏以降になるだろう。歌いたい事の断片は幾つもあるのだが曲作りの時間が取りにくい状況が春からずっと続いている。二週間前から原因不明の微熱が出続けているし。そんな冴えない日々ですが、今日で『花筐』は開設二周年となりました。ありがとうございます。三年目もゆっくりやっていこうと思っています。どうぞよろしく。

2003.7.31. 『美しく過ぎる日々』全曲解説・7 >『fact and crime』

作曲当時の日記では、まず詞の断片があり、ドラムの形を決めて、オケ作りに入った事になっている。ドラムからというのはDTMを始めた頃最も多いパターンだった。今はもう殆どない。こういった本当に打ち込みらしい曲というのも、滅多にできなくなってしまった。完成は2003年2月8日。トラックは16、うちドラムが2。琴、三味線、尺八の音も使っている。デモにはなかった冒頭の声はMacに元からついている、テキストを読む機能を使ったもの。Macにマイクを向け、息を殺して録音した。実は詞の一節の、同一部分を読ませている。言葉も長さもあんなに違っている理由は私には分からない。マスタリング前はもっとぐにゃぐにゃにエフェクトがかかっていたが、そのままではマスタリングできない事が判明し、急遽あのような形になった。

春夏秋冬全てが一曲に収まったのはおそらく初めてだと思う。特に『夏』という言葉は、もしかしたら初めて使ったかも知れない。全く夏らしく使われていないが、前年の夏が殆ど日の光を見ない冷夏だったのだ。一番最初にあった詞の断片とはサビの一節。よくある事なのだが、バイト中に思いついたもの。別に蓬(よもぎ)の事を考えていた訳でも何でもないのに、突然思考が『よもぎ…世もぎ…』と逸れていった。世をもぐほどの風とは一体どんなものであろうか。『世も義』は最初からあったが、『可是』は始め『風』と普通に書いていた。が、可も是も切るような世の中だなぁとふと思ったのだろう。『四方』という言葉がある事は知っていたので、サビ2はすんなりとああなった。この詞は友人に見せてもらった或る演劇に衝撃と感銘を受けた事が動機となってできているが、その作品が私の胸に堪えたのはどこか重なるような経験が過去にあるからだ。そして『草枕』を引用したようなしないような一行がぴったり入った。ただ、この歌に生きる人がそう思っているのでない事は、その後の三行に表われているはずである。

『悔い改まる』という言い方は余り聞かない気がする。普通は『悔い改める』と言うのだろうけれど、例えそうした後でも悔恨の記憶というのは折々改まって私を悩ませる事が多い。恥を知り、己の言動を悔いて、次こそはうまくやらなければと思いながらまた失敗し…そんな風にして生きていく人生なのか、と、ふと思ったのだろう。

2003.7.18. 作曲日記

歌に入ってからの数小節のオケ。大体固まるが、もう少し音を増やしてもいい気がする。ここは歌前との対比が大事だ。8日の日記に『完成してみればこの断片は全て消えているかも知れない』と書いたが、まさにそうなりつつある。既にもう跡形もない状態だ。

昨日、バイト中に突然詞が降ってきた。こういう事はよくあるが、余りに沢山降ってきたので、休憩中に急いで書き留めた。作詞をしようとしていない時に、いい言葉は実に降る。書き留めながら『そうか、これはあの事が言いたいのだな』と自分の書いているものの内容を理解した。

そしてその帰り道、郵便局に寄ってT社とW社とB社にデモテープを送ってきた。三つとも『明日散る桜』『fact and crime』『過去から照らす星』を入れたのがさてどうなるだろう。T社もW社ももちろん大きな会社であるものの、一番どきどきしたのはB社だった。もしここからデビューできたら、すごいな、と思った。

2003.7.17. 『美しく過ぎる日々』全曲解説・6 >『過去から照らす星』

完成は2003年2月24日。前月に東京で見てきたものが動機となってできた曲。詞の始めの二行を最初に書き、『サビから始まる曲』という条件をつけた上で作り始めた。完全に詞先行で、オケをそれに合わせたため、音楽的なパターンは全くない。注意して聴くと、サビ以外に同じフレーズが出て来ないのがお分かり頂けると思う。トラックは15で、同系統だが微妙に違う音色を重ねて使っている。完成直後の日記(2月28日)では、自分で書いた詞の内容を自分で不思議がっているが、これは私に起こった事を書いたものではないから当然だ。ただ、或る時期を共に過ごした人と一旦離れてふと再会した時、互いの環境の変わってしまった事をしみじみと思い知らされる事がある。そういう経験を、思い出したのだった。

月はとても眩しいものである事を、あなたは知っているだろうか。闇のない世界を望む人もいるだろう。しかし私は、闇の中でも明かりを探そうとするだろう。多分、そうすると思うのだ。

2003.7.11. 作詞・作曲日記

訳の分からない曲なので、訳の分からない音を、訳が分からなくなるような効果を与えて入れる。こういう曲を作ってみたかった、と思えるものができつつあるが、完成させられるかどうか甚だ不安でもある。言葉と音とをそれぞれ妥協させあって少しだけ進める。

しばらく前からやっている、レコード会社サイトチェックの続き。デモテープを送ってみる事にしたのだけど、これがなかなかすんなりとは進まない。これまでP-MODELやライダーズが所属した会社を狙ってみようかとも思うが、特にP-関連の方では色々知ってしまっているだけに却って手が出なかったり。それにしてもレコード会社のサイトはどれも大概画像だらけで非常に重く、私のような古い環境でネットしている者には閲覧さえ難しいのであった。

昔、一度だけ二社にデモテープを送った事がある。その時、ダメではあったもののきちんと評価が返って来た某社に送ってみたいと真っ先にサイトを訪ねたら、ブラウザの最新ヴァージョンをダウンロードしてまた来いと言われた。私のOSはそのヴァージョンには対応していない。母のPowerMacにダウンロードして見ようかとも考えたのだが、何だか不親切な気がしてきて結局やめてしまった。かつてデビュー前のP-MODELに対し「こういう音楽はねぇ………」と言い放ったのはこの会社のディレクター氏ではなかったかしら。

2003.7.10. 『美しく過ぎる日々』全曲解説・5 >『月光翊』

トラックは14、完成は2002年11月15日。音色選びもフレーズ作りも、いつも一番厄介に感じるベースラインも、この曲ではかなり満足している。イントロはマスタリングの際までフェイドインではなかったが、前の曲との兼ね合いからこうする事にした。

前月東京に、一日に二本という強行スケジュールで初めて演劇の舞台というものを見に行った。これはその二本目の舞台を見た感動が許となって生まれた作品。曲先行だったが、うまい具合にイメージは重なったと思う。『悠々と飛ぶ』と言っても、月に向かって…とは限らない。弧は上へも向かうが、下へも向かう。『幾度』の使い方に気がついた時はちょっとにやにやした。『現世』は長い事『今』と普通に書いていたが、この一節の持つ意味をもう少しだけ判然と伝えたく思い、このように変えた。これは例えば『白い花』や『窓辺の椅子』とは、全く違った意図を持つ詞である。

2003.7.8. 作曲日記

アルバムを発売して以来、二度目の曲作り。つい先日一度目をやったのだけど、全くものにならなかった。今日は半日、あっちのファイルやこっちのファイルを行ったり来たりしながら、わずかにワンフレーズ形にした。おそらく高校時代に書いたと思われる断片を許に作ろうと目論んでいるのだが、それ自体は一体何が言いたいのか自分でももう全く分からない。ただ、言葉と、並びが、何となく面白く、整っているように思えた。一節メロディをつけ、次の一節はその場で考え考えする。過去の自分とのセッション、という動機は私をわくわくさせる。完成してみればこの断片は全て消えているかも知れないが、それでも構わないのだ。

2003.6.30. 『美しく過ぎる日々』全曲解説・4 >『capella』

連休を利用して、三日間で作り上げた曲。完成は2002年9月13日。元々は3トラックで、そのうちの二つをメロディをなぞる音として使っていたが、結局外してピアノのみのオケになった。アカペラみたいな曲になるかなぁというバカバカしい思いつきで、確か最初からこのタイトルだったはず。お聴き頂いた方にはおそらくバレている通り、歌入れに一番苦労したのがこれ。収録できる確信がなかなか持てなかった反面、どうしても収録しなければ、という思いが一番強かったのもこの作品のような気がする。高音もつらかったが、オケとテンポを合わせるのが結構難しかった。ヘッドホンでガイドを聴きながら歌うという事も、VF80ならもしかしたらやればできたのかも知れないけれど、自分の曲に屈するような気がして嫌で、試そうともしなかった。私はおおむね、こういう無駄な意地を張りがちである。

曲が出来上がってさて詞を書こうという段になり、どんな詞をつけたらいいか考えていた時、この9月で平沢音楽に出会って丁度10年になる事に気がついた。それからはすらすらと言葉が出た。師匠に対する想い以外の事は書いていないと言ってもいい。余りその一点に集中し過ぎるかと思って、『数多光で救うもの』とかなり長い事平仮名にしていたが、最終的には漢字に変えた。

カペラは馭者座の星の一つであり、『星の長(おさ)』と呼ばれていたという。これは詞を書いてから知ったのだけど、長という言葉も師匠のイメージにぴったりだ。

2003.6.24. 『美しく過ぎる日々』全曲解説・3 >『残照』

ほぼ例外なくパソコンの前で、音を聴きながら詞を考えるのだけど、この時は体調を崩していてベッドの中で紙に言葉を書きつけていった事を覚えている。完成したのは1996年8月8日。今作の中で唯一古い楽曲なのがこの作品。1stの時から収録候補にはあったものだ。選ばなかったのは、単にうまく歌える気がしなかったから。

短大時代、私は私の音楽に付き合ってくれた二人目のボーカリストと録音をしていた。私の波乱万丈なバンド人生に於いて唯一充実した、そして平穏な時期だった。彼女は本当に歌がうまかったし、私が一旦完成した作品を人に渡して、別な詞を書いてもらう試みをしたのもこの時だけだった。あれからもう何年もの時間が経って、その頃録音したテイクは残っていないはずだけれど、不思議と今も鮮やかに彼女が歌う『残照』を思い返す事ができる。歌入れの時、いつも彼女の『残照』が念頭にあった。そうなるだろうと思っていた通り、私の記憶の中の歌を、今作に収録した『残照』は超えてはいない。それは或る意味当然だ。技術に差がありすぎた。しかし、完成から7年近くもの時間が経ってようやく世に出たこの歌に、満足していない訳ではない。これはこれで私なりの『残照』になった、そんな気がする。

2003.6.16. 『美しく過ぎる日々』全曲解説・2 >『mind medicine』

今作の新曲としては三番目にできたもの。でもファイルの作成日は2001年8月9日。その時にイントロとメロディと少しのオケだけ作って、ずーっと足しもせず消しもせず放っておいた曲だ。完成させられる予感がした時、最初に歌詞を全部書き、それから音を固めていった。同じメロディだけで終わるのも、詞が四番まであるのも、カタカナが入っているのも、私の作品としては非常に珍しい。一番から四番までは全て別の物語で、それぞれ元にしたものがある。合わせてオケも微妙に変えている。カタカナを入れたはいいものの、歌うのは最後まで恥ずかしかったので、エフェクトをあのようにした。VF80でなければできなかった事だ。トラックは15。とてもそうは聴こえないかも知れないが、ディストーションギターの音とか使っている。

この二つの言葉、『イエロージャック』と『クリムゾンジャック』は一応造語なのだけど、一体何なのか実は私にも分かっていない。『イエロー』『クリムゾン』『ジャック』という言葉を選んだ動機はあるものの、それをここに書く勇気はない。ただ、意味もなく、出てきてしまったから使った、と言う他ない。思いつきを詞として採用するのも、滅多にない事だ。

2003.6.10.

家の中で引っ越す事になったので、いやいや片付けをしていたらもうすっかり忘れていたあんなものやこんなものが出るわ出るわ。いちいち見入ってさっぱり進まない。とりあえず、今日は全てのCDを引っ越し先の部屋に移動させたのだけど、一体何枚あるんだコレ。ああ、これ何年も聴いてないなぁ、懐かしいなぁ、などと手に取ったら自動的にケースを開けて歌詞カードを取り出している(さすがに聴きはしないものの)。枚数は多いけれどどれもそれなりに聴いたものばかりだ。しかし、たった一回聴いたきりのCDも一枚だけある。私が手にしたCDで激しく憎悪したのはこれだけだ。

CDが片付いてから、すっかり物乗せ台と化している大きい方のコンポのスピーカーの上にあるものを避ける。避けている途中で『錯乱の扉』が出てきたのがマズかった。これはマンドレイクの『Unreleased Materials』が出た時の特典で(そんな事はすっかり忘れていた)、マンドレイク〜P-MODELまでの事が書かれた小冊子なのだけど、師匠の文章が面白いのですっかり読みふけってしまい、そういうテンションになって『音楽産業廃棄物』(P-MODEL20周年、平沢ソロ10周年の記念本+CD-ROM)の箱を何年か振りに開けた。開けるのはおそらく二度目とかだろう。何しろ私はここに収められている二冊の本と一枚のCD-ROMを、買って以来一度も見ていないのだ。しかし今日たまたまそれを開いた引っ越し先の部屋には小さなソファーがあり、時を知らせるものが何もなかった。止めよう止めようと思いつつ、ソロの方を三分の一くらい読んだ。読めば読むほどに『私はこれでいいのですか。師匠、私はこれでいいのですか』という問いが終わらず溢れ出た。

私は本当は師匠の事をそんなに深く知りたくないのだ。ただ、師匠の歌声と音とがそこにあるだけでいいのだ。しかしこう考えるようになったのは、P-MODELのこれまでの事を色々と知ってからだった。あの秋に自然必然的に音楽から離れた時、私は知った事を忘れようと無意識のうちに努力したのだと思う。だから新しいファンからすれば興味あるだろう知識も沢山持っていたはずだが、もう殆ど忘れてしまった。ただ、音楽があるだけ。今の私にはそれで充分だ。

2003.6.6. 『美しく過ぎる日々』全曲解説・1 >『燃えるような空』

さて始まりました全曲解説第一回。まずは『燃えるような空』。新曲としては『天弓橋』以来11か月振りの曲。11か月って。その間何してたんだろうと思ったが、おそらく1stのレコーディングに費やしたのだろう。

これは曲先行で、詞を後から書いた作品。曲としては今回一番手が込んでいると思う。トラックは全部で16。ドラムに2、コーラスのガイドに1使っている。琴の音色をためらわず使うようになったのはここからかな? 1stを作り終えて色々と意欲も出て、敢えて音を汚すような事も多分この曲から始めたのだと思う。サビのベースの一箇所で、偶然マージ(選択した音と全く同じものを重ねる機能。師匠が使う『バカコーラス』のようなもの…だろうか)が間違ったかかり方をしたのが面白くてそのまま残してある。間違った使い方が意外にも面白い効果を生み出す事がある、これは師匠から学んだ事だ。

詞が完成したのが2002年5月14日。その少し前に札幌で見てきたものが動機となっている。が、『燃えるような空』『静寂に満ちて連なる山』『雲原』といった言葉はそれとは無関係に、私の目に焼きついた自然の一瞬なのだろう。『優しく閃いた〜』のフレーズは元々一行だったものを、歌入れに入ってから声の高さに合わせて二行に変えた。それに更に下→上→下→上とコーラスを入れているが、これは歌入れ終了直前に考えたもの。一見すると上と下のフレーズで固定しているように聴こえるかも知れないけれど、実は入れ代わっているのだ。私はおおむね、こういう無駄な努力をしがちである。

それにしても『幾日』はなぜ『いくひ』と読まないのだろうと繰り返し思った事であった。

2003.6.1.

母がアルバムの感想を言う。今年言われたのは『歌が多い』という事だった。まとめるとつまり前奏・間奏・後奏が少なくて、歌の部分が多すぎる、という事らしい。しかし今回は意図的に歌を多くした。ライブに出る事を考えていたので歌以外の部分を減らしたのと、徐々に自分の思うように歌えるようになってきたため、沢山歌いたくなったのだ。デザインの打ち合わせの時も、歌詞の量が1stの約二倍になっている、と言われて驚いた。そんなになっているとは思っていなかった。成程。

1stの時も考えていて結局やらなかったのだけど、今年はちょっと曲解説を書いてみようかと思っている。

2003.5.20. アルバム発売

おかげさまで今年も無事、アルバムを発売する事ができました。既に御購入、御予約頂いた皆様、ありがとうございます。購入検討中の方がいらっしゃいましたら、どうぞよろしくお願い致します。

MTRでCDを焼きながら、焼き上がったCDのチェック。ケースにジャケット、裏ジャケ、歌詞カードをセットし、チェックし終わったCDにラベルを貼って完成。本来の発売日は今日だが、第一便は昨日発送した。アルバムが完成した途端に、何だかひどく気が抜けてしまった。やるべき事はまだまだあるはずなのに、体が動かない。

常にそうでなければいけないと思うが、前作よりも納得の行くアルバムができた。前作発売直後の日記をさっき読み返したら、マイクのウィンドスクリーンの購入と録音媒体の変更を考えていたが、二つとも実行している。やはり、レコーディングの仕方が大幅に変わったのは大きかった。ずっと楽になった。こうなると次は、音源買い換えかなぁ。

今思うのは、ああ、これで次のアルバムが作れる、という事だ。次はどんなアルバムを作ろうかと考える事ができる。それが嬉しい。一年後、私は美しく日々を過ごしたと思えているだろうか。前作よりも納得の行くアルバムができた、と思えているだろうか。そうでなければいけないのだが。

私の許から旅立っていった曲たちは、どんな聴かれ方をするのだろうか。今回もまた、私に何らかの感想を伝えたいという衝動が、聴いて下さった方の中に生まれなかったとしたら。前作より自信を持って送り出すものだけに、それが一番怖い。何の感動も生み出さない…これは作り手に取って致命的だ。しかしたとえそうなったとしても、いつか全ての人から感想をもらえるような作品を作る者になる事を夢見て精進してゆくしかない。私の花は、まだ枯れてはいないのだから。

2003.5.14. 全工程終了日記

他のやるべき事を全て片付けて、3時からマスタリングに取りかかった。途中、『明日散る桜』の昨日も取り直した一部がどうしても気になり、録音。昨日のよりも納得の行くテイクが取れたのでマスタリングを続行。しかし、エフェクト(効果)の設定をストア(保存)したシーン・シーケンスのマップ(再生中に希望のエフェクト設定を希望の時間にリコール<呼び出し>するプログラム)が、バウンス(複数のトラック<声や音が録音された場所>を一つにまとめる作業)の時に利かなくなるのはどういう事だ! あんなに頑張って設定したのに、バウンスしようとすると自動的にマップがオフになる。意味ない! 全然意味ない! 仕方がないので手動で切り換え可能なエフェクトを考え直し、バウンスを実行しながらエフェクトを録音した。もぉ〜。リバーブとディレイは系統が違うからって切り換えると一瞬ミュートするし。仕方がないので基本をリバーブにして、Pre Delayとかをがんがん利かせた。仕方がない事ばっかりだ。

バウンスが終わるといよいよ本格的なマスタリングなのだけど、ここでマスタリング・エフェクトというのが出てくる。この機能がいらない事この上ないのだ。でも切ると何だか音が歪む感じがしたので、Hi-G、Mid-G、Lo-G、compTHSHD、compGain、など、もう書いてる本人も何の事だか殆ど分からないのだが、そういうものを調節して乗り切った。同時に、音量と録音レベルの兼ね合いは最も神経を使う処で、これも幾度もやり直したり、録音し直したりして(音量を録音するのだ)乗り切った。深夜12時に最後の曲のマスタリングとチェックが終わる。疲労困憊。参っていても仕方ないのでStartポイントとEndポイントを調整。それから曲順にプログラムして、空CD-Rの最初の一枚をセットする。

できあがった一枚目を聴いてみた。マスタリングの時に気になった事が思ったより目立たないのにほっとする。聴いているうちに何だか体が震えてきた。とにかく、終わった。間に合った。

2003.5.13. 録音終了日記

『燃えるような空』のほぼ全部、『明日散る桜』の一部、『月光翊』のコーラス部、『mind medicine』『窓辺の椅子』の全部、を取り直す。5時間ちょっとかかって夜の7時15分に『美しく過ぎる日々』の全ての録音が終わった。終わって思った事は『ああ、これで御飯が食べられるー』だった。食事はおろか、何かほんの少しのものでも口に入れるとノドが変わるので、水とコーヒー以外のものは取らずにいたのだ。

『燃えるような空』、下の日記に書いている『一行→一行半→二行』を更に三行にする案が出た。決断はこの後の録音チェックで下す。全部を取り直した二曲はいずれも、それまでのOKテイクをトラック1で保留にしておいて、新たにトラック5に今日の歌を録音した。これだとゼロからやり直さずに済む。『明日散る桜』はどうしても気になっていた部分、もういっそメロディを変えようかと思うくらいいいテイクが出なかったのだが、歌い方を変える事で何とか妥協できるレベルのものが取れた。『月光翊』のコーラス部は結局メロディを変え、メインの歌を聴きながら声を切るタイミングを合わせた。

ああ。とにかく、とにかく、これで全部終わったはずだ。チェックはこれからする。するのが怖い。それが無事に終われば次はマスタリングだ。明日中に終わるだろうか。

2003.5.7. 昨日の録音日記と今日のエフェクト確定日記

わずかな隙をついて『窓辺の椅子』のデモを録音し直そうとしたのだが、いいテイクが出なかった。結局以前取ったものを最後のデモとして公開する。その他、『月光翊』『燃えるような空』のコーラス録音。後者はその前の日にコーラスを入れる事を決めて、録音直前にフレーズを考えた。元々一行だったものを一行半にして、更に二行にした感じ。一見、一行半にした意味が全くなくなったが、そこはエフェクトのかけ方で変化をつける。これで、とりあえず録音は全て終わった事になる。来週再び隙ができそうなので、もしかしたら一部取り直すかも知れないが。そして今日はエフェクトの確定作業。一から四曲目まで。

昨日、母と二人で花見に行った。もう何年も花見などした事がなかったのだけど、行ってよかった。根元から倒れたまま満開に咲いている桜や、老齢のためか幹に穴を開けたまま咲いている桜、まるで手を差し伸べるように隣の木の方へ枝を伸ばしている桜などを見た。

2003.5.1.

発売日を5月20日に決めた。無理の上にも無理を言って、デザイン面をそれに間に合うようにしてもらう事にした。前作から考えると準備期間は激減したが、やはりどうしても、一日も早く発売したいのだ。

今はボーカルエフェクトを考えている。なかなか面白い作業。

曲順・確定ヴァージョン。

1.

燃えるような空

2.

mind medicine

3.

残照

4.

capella

5.

月光翊

6.

過去から照らす星

7.

fact and crime

8.

暖かな光

9.

窓辺の椅子

10.

明日散る桜

2003.4.29. 録音日記

23日の時点で確定したトラックを繰り返し聴き、納得の行かなかったものを取り直す作業。『過去から照らす星』『暖かな光』『明日散る桜』。1フレーズだけ幾度も取り直したりして、全てOKテイクとする。やっている最中に『月光翊』のコーラスを思いついたのだけど、今日は時間がなかった。

デザイン関連の打ち合わせ。諸々兼ね合いの結果、現時点で発売時期は5月最終週との提案が出る。それだと桜はもう完全に終わってしまっているなぁ…。何とかもう少し早くならないものだろうかと考えてはみるものの、これと言ったアイデアも出ない。

ああ、もうすぐ録音終わっちゃうんだなぁ、と思ったら、何だか妙に寂しい。

2003.4.23. 録音日記

今日で歌入れの99%が終わった。何しろあと一曲、いや、あと1フレーズ、いや、もっと言うならあと一音なのだ。

『燃えるような空』『mind medicine』『明日散る桜』を一部分ずつ。前に取ったものでかなりいいテイクがあったので、納得できない部分だけ取り直そうとした。『燃えるような空』『mind medicine』はOKを出す。『明日散る桜』は以前の録音と声の感じが少し違ってしまっている。そしてあと一音、はこの曲だったりする。

『capella』『月光翊』『過去から照らす星』『fact and crime』は一曲通して。『capella』は最も苦労すると思っていた曲だが、何とか及第点のテイクが取れた。これと『過去から照らす星』は一応OKテイクとして、今後余裕があれば歌ってみていいのがあればそっちを採用、という形にする。『fact and crime』は頭の別トラックから取り直した。これで99%。もう少しだ。ああ、本当にもう少しだ!

2003.4.21.

このアルバム、一体いつ発売できるのだろうか。とりあえず、全10曲のうち、ほぼOKテイクが出たのは三曲。今後それほど苦労せずOKテイクが出せそうなのは四曲。少し苦労しそうなのが二曲、かなり苦労しそうなのが一曲。録音が終わったらエフェクト→マスタリングという作業がある。アルバムタイトルは、結局最初に考えたうちの三番目に決める事にした。何となく出した案だがどんどん気に入ってきて、これ以外にないように思える処まで来たため。それからデザイン関連の打ち合わせ。まだ始まっていない。

やはり、来月下旬という事になるだろうか。どうしても桜の時期に発売したいのだけど、下旬だと幾ら北海道でも終わってしまっているなぁ…。しかし5月中には意地でも発売する。

2003.4.15. 録音日記

『燃えるような空』『暖かな光』『fact and crime』『窓辺の椅子』『明日散る桜』。『capella』『月光翊』『過去から照らす星』も歌ったのだけど、いずれも途中でボツにした。このうち『暖かな光』と『窓辺の椅子』はほぼOKテイク。特に『窓辺の椅子』はコーラスまでばっちり取り終わった。拍手。『残照』の保留テイクも聴き返してほぼOKテイクとする。『燃えるような空』が現在保留。

『暖かな光』の最後の一節のメロディを突発的に変える。どうしても低かったから。さっき聴き返すまでその事をすっかり忘れていて一瞬驚いたが、今後幾度も聴くうちに、最初からこうだったような気になるだろう。ちなみに二つ下の日記で『半音上げてみた』と言っている曲、今日は全て正規の音程で歌った。やはりノドの調子によるのだ。

2003.4.14. 練習・編曲日記

今この時期に更新がストップしていたのには訳がある。家の中に半病人がいるので、音楽できなかったのだ。今日久し振りに歌練習。低い音がことごとく出た。出る日もあるのだ。しかし出ない日の方が多い気がする。『窓辺の椅子』、三番のテンポを微調整。『fact and crime』、間奏の音に少し手を加える。

このアルバムはタイトルがまだ正式には決まっていないが、実は、三枚目のアルバムは既にタイトルが決定している。のみならず、そのうちの何曲かの曲名や詞なども大体決まっている。常に先の事を考えるのが好きである。

2003.4.8. 録音日記

『窓辺の椅子』『暖かな光』『capella』。今はとにかく低音が課題。この三曲全て半音上げてみた。結果、『窓辺の椅子』と『暖かな光』は曲感が損なわれる気がして、保留。『capella』はまだ行けるかも知れない。OKテイクが出た訳ではないけれど、ボーカルのエフェクトの設定を保存する。やっぱりエフェクト次第で或る程度ごまかせるものだなぁ。これをアテにしない歌を歌わなければ。

2003.4.2. 録音日記

録音する時には昼食を取らない事にした。時間が勿体無いのと、ノドの感じが変わってしまうため。『燃えるような空』『mind medicine』『残照』『capella』『月光翊』『暖かな光』『fact and crime』『窓辺の椅子』。それから、『fact and crime』のデモを取り直す。今日も低音がうまく出なかったものの、『残照』にかなりいいテイクが出た。と思う。まだ聴き返していないので分からないが、『capella』の次に難関だと思っている曲なので、ぬか喜びしないように気をつけなければ。『窓辺の椅子』。今日この日だからこそいいテイクが取れるのではないかと思い、何度か歌ったがダメだった。

アルバム『風の中で空を見上げて』を発売してから一年が経った。音的にはあの頃より少しは高い位置にいるはずだ。しかし、歌はどうだろう。増しになっている気もするし、全く進歩していない気もする。この歌には商品価値があるのかどうか、まだ判断がつかないけれど、今はとにかく一枚目よりよいアルバムを作る事だけを考えよう。

2003.3.29. 編曲日記

色々細かい手直しを、主に音を足す方向で。アルバムタイトルは、最初に考えた三つのうちの三番目以外にないような気がしてきた。『暖かな光』のテンポを1下げる。早める事はよくあるが、遅くするのは珍しい。

一昨日、探し物をするのに引き出しをひっくり返していたら、店から引き取ったままの状態の写真の束が出てきた。何の写真か全然思い出せないまま出して見た。彼の写真だった。衰弱の兆候が見え始めた時に何枚か取った事を思い出した。それがこれだろうか…。座布団の上に丸くなって、もう殆ど動かなくなってしまったのを取った記憶も確かにあるが、その写真は束の中にあっただろうか。一通りざっと見て、苦しさに堪え切れずすぐに引き出しの奥に入れてしまったから分からない。

驚いたのは、私はまだ、写真を懐かしく見る事ができない、ということ。

曲順・3月28日ヴァージョン。

1.

燃えるような空

2.

mind medicine

3.

残照

4.

capella

5.

月光翊

6.

暖かな光

7.

過去から照らす星

8.

fact and crime

9.

窓辺の椅子

10.

明日散る桜

2003.3.27. 編曲日記

『月光翊』『mind medicine』『明日散る桜』のPanの設定を直す。面倒な事この上ない。どの曲のどこでPanを設定したかなんて忘れてしまっているのだ。強くかけているのは聴けば分かるが、そうでないのは聴きながら音源のディスプレイを睨むしかない。それから『暖かな光』の直し。予想通り、半音上げた。

昨日録音した『capella』のボーカルにエフェクトをかけて聴いてみる。うむ、ごまかせている。

曲順・3月27日ヴァージョン。

1.

燃えるような空

2.

mind medicine

3.

残照

4.

capella

5.

月光翊

6.

過去から照らす星

7.

暖かな光

8.

fact and crime

9.

窓辺の椅子

10.

明日散る桜

2003.3.26. 録音・編曲・作詞・作曲日記

午前と午後ぶっ通しで録音。お昼は抜き。今日は全体的に低音がダメだった。『燃えるような空』『窓辺の椅子』は可もなく不可もなく。いや、低音がダメ。『残照』。午前も午後も歌ったが、最終的に全削除。『fact and crime』。MTRになったらやってみたかった録音方法を試してみた。これにエフェクトをかけるとまた変わった感じになるかも知れない。『月光翊』。この曲はPanの設定が強いので、ノドを休める時間をその対策に当てた。音量の最大に近いPanの時はベロシティを下げ、最低に近いPanの時はベロシティを上げる。それで足りなければ音量も上げる。なぜこんな事をする必要があるのかについては、20日の日記参照。『過去から照らす星』。間に二小節入れたのをすっかり忘れて、即次を歌い出す癖が直らず。こういう事は歌詞本に書き留めておくので、見ながら歌えば間違えないのだが、あいにくこの作品の歌詞は完璧に頭に入っている。最後に『capella』。大体最後にこの曲を持ってくる事自体、間違っている。

夜、『暖かな光』の作詞。タイトルはもうこれで決まりだろう。曲先だとすっかり作りづらくなってしまった。かなり無理があったのを一つ一つ修整。間奏の1フレーズまるごと空いていたのを埋める。もう何がやりたいんだか分からない間奏になってしまったが、却って面白い感じになった。ラストをつけて完成。ドラムが一旦消えてからまた戻ってくる、というパターンは大昔にもやった事があるはずだが、さてどの曲だったか。

2003.3.24. 作詞・作曲日記

作らなければ、とにかく作らなければ、と思って作る。詞も曲も一応形にはなった。後は細かい調整だけだ。詞は少しの直しで行けると思うが、アレンジの方はまだまだ作り込まなければならない。最近急に増えたパターンだけれど、この曲も完成してから半音上げる気がするなぁ。

2003.3.23. 昨日の作詞日記

詞を書かないと曲が仕上がらない段階になってきたので、作詞。少しずつやってはいたのだが、どんどんラブソングみたいになってくる。

中学の時の部活、吹奏楽部の顧問だった先生が亡くなっておられた事を今日知った。衝撃。とても信じられない。先生がもうこの世にいない事の想像ができない。人間的な魅力に溢れた、とても格好のいい先生だった。音楽を演奏する楽しさを教わった。何人もの仲間で一つの音楽を奏でる楽しさを教わった。私が長い間バンドという形体にこだわっていたのは、この楽しさが忘れられなかったからなのだ。あの時吹奏楽部に入らなかったら、私の音楽は変わっていたに違いない。もっと狭いものになっていたに違いない。先生の許でみんなで奏でた音楽は、本当に楽しかった。とてもお世話になった。色々な事を教わった。先生がいたから、私は自分の音楽を始め、そしてそれを続けてきたのだ。先生がもう私の事を覚えていなくてもいい、でもいつか、私の音楽を先生にも聴いて頂けたら…。そう思っていた。その先生がもうこの世にいない。本当に、いないのだろうか。もう一度お会いしたかった。こうして音楽をやっています、と、伝えたかった。

2000年の1月の事であったという。同じ年の4月にも、私はとても大切なものを失っている。あの春がまたもうすぐやって来る。春が来るというのに、心が重い。

2003.3.20. 作曲・編曲日記

『暖かな光』(仮)。全く進まず。『mind medicine』と『過去から照らす星』の気になっていた部分に手を加える。『BLUE LIMBO』を入手した今、自分が平沢音楽に飢えているのがとてもよく分かる。とにかくずっと聴いていたいのだ。

スピーカーの調子の悪い原因が分かった。というよりも、これはそもそも不調ではなかったのだ。Panの設定は音量と同じように数値の高低でするのだが、それが0に近付けば近付くほど音が小さくなっている。なぜだ〜!  ちょっと前までこんな事なかったのに! VF80でもPan設定はできるが、曲の途中で変える事はできないらしい。ど、どうしよう。

今日のニュースを師匠はどんな思いで見たろうか。

2003.3.19. BLUE LIMBO

越えない丘で群集は 叶わぬ祈りに疲れ伏し 『祖父なる風』

友人の協力で、地元では見つからなかった平沢さんの新譜『BLUE LIMBO』を入手する事ができた。ブックレットに師匠の写真が載っている。…老けたなー…。そう思うのは今が最初じゃないけれど、肌のツヤのなくなりっぷりは少々痛々しい感じさえする。ちゃんと休んでおられるのだろうか。

陸を焼く蛮人の矢に 神聖の名は書かれ 『CAMBODIAN LIMBO』

一曲目を聴いた瞬間から、もうそのかっこよさに打ちのめされていた。思いきりニヤついた。嬉しくて。一聴して驚いたのは、ギターの音が多かったこと。弾いたんだなぁ。ギターの嫌いなギタリストが、沢山弾いたんだなぁ。『CAMBODIAN LIMBO』のイントロや、ギターソロなどもかっこいい。

見渡すかぎり真実の墓地 さあ戦場から惨状だけ聞け 『狙撃手』

イントロがかっこいいといえば、『帆船108』。一番最初のフレーズだけではその後の展開が読めなかった。こういうの好き。この曲は全体的に、平沢ソロとしてはとても意外な曲調だ。オケの感じといい、メロディの分かりやすさといい、P-MODELっぽい。小西さんと福間さんが一緒に演奏してる映像が浮かんでしまった。特にAメロのひねりのなさなど、平沢さんにもこういう曲が作れるんだぁ、などと変な感心をしてしまうくらいだ。

ヒューと 恐れるフリ さあ冷ややかに観劇を 『狙撃手』

『狙撃手』。詞を一見して、これはYAPOOSが扱いそうな感じだ、と思ったのは『狙撃手』という言葉から『それいけ!ロリータ危機一髪』を連想したからだろうか。しかし、この曲は震えが来る。想像に過ぎないが、この作品の原動力は怒りなのではないだろうか。そうと言えばこの『BLUE LIMBO』の殆ど(或いは全て)の楽曲がそうなのかも知れないが、私は特にこの曲から師匠の怒りを感じた。

にしても、『DDT! DDT!』の部分。歌詞を読みつつ聴いていたにも拘わらず、「なんて言ったの今ー」って言っちゃったよ。

頭上の鳥 鳴き止まぬ 人たる所以は終りか と 『高貴な城』

このアルバムには、判然とした意志が伝わってくる歌詞が非常に多い。今までのものには読んでも読んでも詞の意味が分からない事もあったのだけど、これらの楽曲はどれも或る一つの方向を指し示しているように思える。それは今だからなのだろうか。師匠をとても近くに感じる。こんなにも近い事は今までなかった。ソロ初期三部作、タイ以降、『賢者のプロペラ』まで、どこか遠く、遥か遠くで起こった事を聴かせてくれている、そんな音楽だった。しかし『BLUE LIMBO』は違う。師匠が見たものは私も見ている。あれらの出来事が師匠の音となり声となって今ここにある。そんな風に感じた。

聞こえるか ああ聞こえるか ああ 地の果ての子らを焼く音 『高貴な城』

All Written by SUSUMU HIRASAWA 

2003.3.17. 作曲日記

ファイルは名前をつけないと保存できないので、詞の内容が全く決まっていないものでも一応仮タイトルはついているのだが、これは『暖かな光』。B02のアレンジを主に。それから歌の練習。『capella』。のキーを半音下げてみる。最低音は殆ど出ないし、最高音は普通に出る音と裏声になる音との境目で、すごく気持ちが悪い。ならばというので思い切って半音上げてみた。最低音は幾分聴きやすくなり、最高音は意外にも、出る。寧ろこちらの方が出やすいような気さえする。今日たまたま声の調子がよかっただけなのか。

2003.3.14. トラブル退治日記

開店時間を待って、街の大手電気店に電話。スピーカーを修理してもらえるかどうか問い合わせる。メーカーがYAMAHAなので店では修理できず、YAMAHAのサービスセンター(?)に送る事になる、状態によって期間・金額が幾らになるかは見当もつかない、仮に直さない事にしても検査料1050円を頂く、という答え。何だか一気にやる気が失せて、それでも商品として扱っているスピーカーの値段を訊いてみると、二つ一組で1万2800円からだという。しかし店頭には殆ど置いておらず、カタログを見ての注文になるとの話。配線の都合があるので、ぜひとも現物を見てからでなければ買えない。がっかりして電話を切って、別の大手電気店に今度は最初から購入のつもりで、スピーカーの値段を問い合わせる。ここは家電とパソコン関連とで建物が別になっていて、始め家電の方にかけたら要領を得ず、パソコン専門店で訊いてくれと言われた。言われた通りにすると979円からあるというので笑ってしまった。プラグの形状確認のため、スピーカーのケーブルとヘッドホンを持って乗り込む。

スピーカー売り場で片っ端からひっくり返してみたのだが、RCAピンもしくはフォーンが入りそうなのが見当たらない。店員さんに訊いてみた処、ミニプラグ…だったか、そんな名前のやつじゃないとダメらしい。RCAピンが入るもので一番安いのは約一万円。RCAピンに変換プラグをつけて使う手もあるというので、その変換プラグの値段を訊いてみると家電専門店の方で2000円くらいで売っているという。それと安いスピーカーとを合わせて買うと、RCAピンタイプと変わらない値段になってしまう。とりあえず今のスピーカーでも音は出ている。急を要するのはそれがなければマスタリングのできないヘッドホンなのだから、と思い、その場は一先ず諦めて、ヘッドホンが売っているという家電専門店の方に移動。確かにあるにはあったが、種類が多すぎてどれを買ったらいいのか分からない。もちろん高ければ高いほど音はいいのだろうけれど、わずかな無駄遣いもできない今、無理して高いのを買う事もないか、とビクターの特価1760円のやつを購入。レジに行く前に隣の変換プラグ売り場を見たら、RCAピンをミニプラグにするものが400円程度で売られていた。…あら?

帰って早速ヘッドホンをVF80に繋いでみる。音が出た! けれどすぐ安いのを買った事を後悔した。後の祭りなので即座にデザイン関連の打ち合わせ用デモのマスタリングに入る。昨日マスタリングモードにした時は全く音が鳴らなかった、その謎が解けた。まずバウンスというやつをしておかなければいけないのだ。これは複数のトラックを一つにまとめる作業で、オケと声との音量バランスをここで見ておく。それからマスタリング。この時ようやくフェイドアウトができるようになる。さっさと終わらせて、次はCD-RWに焼き込む作業。設定してしまえば放っておいても大丈夫なので、その隙に夕食。CD-RWはファイナライズしても私のMacでは読み取らないので、母のPowerBookでmp3に変換。スムーズにやり取りするためサーバにアップする。が、そのうち何度やっても60%くらいでストップするようになってしまった。始めは理由が分からなかったが、ふと思い当たってXREAの容量を確認すると42MBも使っていた。借りられるのは50MBまでなので、多分容量をオーバーしたのだろう。いらなかったデータを削除して全てアップ。作業完了。

2003.3.13.

昨日、モニター用ヘッドホンを探すために大量の紙屑をひっくり返した。その紙屑の殆どが私の文字で埋まっていた訳だが、その中から詩のようなものを書いたノートが出てきた。あったあったこんなの。109個もの詩のようなものの95%くらいは見るに堪えない出来なのだが、5%くらいはちょっと面白く、何だったら使えそうなものまであった。92〜93年に書いたものらしい。面白いのは師匠に出会った92年9月以降と思われるものから、言葉ががらりと変わっている事だ。影響を受けるにも程があると思わなくもないが、師匠に出会った時、私の世界観は音を立てて全壊し、師匠を深く知るにつれ、一つ一つ全く別の形に再構築されていったのだから無理もない。音楽を始めたばかりの頃、まずコピーから入って徐々にオリジナルに移行していく、というのは誰でもが普通にやっている事と思うが、当時の私はそれを詞でもやっていたようだ。

そんなノートを見ながらえも言われぬ感慨に浸っていた今日、この知らせ(http://www.s-hirasawa.com/nowar/)が届いた。新譜『BLUE LIMBO』を入手していない今、アルバム収録曲を聴くのは気が引けたが、師匠のこの行動から何かを受け取りたくてダウンロードした。『高貴な城』を聴く前に詞を読んでつくづく思ったのは、他の何でもない、『やっぱり私はこの人からのみ影響を受けているんだなぁ』という事だった。今でこそ多少それが分からなくなっている(と自分では思っている)が、このノートの後半の言葉たちはどこか似ている。

曲を聴きながら読むと、全身鳥肌が立った。師匠の音楽は私に取って、余りにも特別だ。それを再認識した。

2003.3.12. トラブル続出日記

もうヤダー。疲れた。疲れた割にやりたい事が全部できてない。もうヤダー。

今日は今日こそデザイン関連の打ち合わせ用デモを完成させようと、昨日録音したうちの四曲をマスタリングしてCD-RWに焼き、更にmp3にする作業を予定していた。マスタリングは初めてなので説明書を読みつつ一つ一つやっていこうと思ったら、モニター用ヘッドホンが出てきた。ちょっとうろたえたけれど、なくてもまぁ音は鳴るだろうと思ったら、鳴らない。鳴らないったら頑として鳴らない。ヘッドホン、ない事はないのだが、どこに仕舞ったか忘れてあちこちひっくり返してようやく見つけた。確かシンセ用のものだったはずだが、プラグがフォーンなので行けるだろうと突っ込んだら音は出た。ただし片方だけ。長年大量の紙屑の下に埋まっていたせいか、壊れてしまったのだろうか。少したじろいだけれど、説明書に目を凝らすと、マスタリングしなくてもCD-RWには焼ける、と書いてあった。胸をなで下ろしてCD-RWをセット。しかし録音時間は充分余っているはずなのに、他の曲を消さないと録音してやらないよ、と言ってくる。泣く泣く全削除。四曲録音し終わって、試しにCD-Rレコーダーでちょっと聴いてみると、片方のスピーカーからしか音が出ない。絶句。

それでもやり直している時間がないので、そのままmp3に変換。しかしなぜか四曲目だけがどうしても変換されてくれない。繰り返し繰り返したがダメだったので、今日の処は諦める。できあがったmp3を試しにちょっと聴いてみると、なんと音トラックが右のスピーカーから、ボーカルトラックが左のスピーカーから出ている。なんで?? 原因が分からないままに更に聴いてみると、『mind medicine』のボーカルにエフェクトをかけた部分でいきなり音量が跳ね上がった。これはエフェクトのせいなのだ。マスタリングの時に調整しようと思っていたのに。他の二曲にもエフェクトはかけたのだけど、こちらはなぜか全く反映されていなかった。

それにしても、モニター用スピーカーとヘッドホンは早急に修理か買い換えが必要だ。

2003.3.11. 録音日記

全ての曲を一通り。これといって当たりもなかった。トラックの削除の時、今までは一つ一つ消していたのが、全トラック一遍に消す方法を発見。多分説明書には書いてあるんだろうけれど、読まずに何となく勘でやったらできるという事も多い。

近頃モニター用スピーカーの調子が悪い。LかRか、どちらかのPanに反応しなくなってしまった。というか、一つしかないので、きちんとPanに反応している事を知らなかった。そちらに振ると音が消えるのが何だか気持ち悪い。シンセと一緒に買ったものだから、10年くらい経っているはずだ。そろそろ変え時なのだろうか。

2003.3.10. 作曲日記

Cメロのオケ足し、その他微調整。もう全体の形は見えているので、オケが固まれば完成すると思う。

デザイン関連の打ち合わせ用デモのボーカルにエフェクトをかける訓練。一曲全体にかけるのは容易いが、『mind medicine』のように一部分のみかけたい時は意外と難しい。パンチインがばしっと決まらないといけないのだ。他にも方法あるのだろうか。

2003.3.7. 録音日記

デザイン関連の打ち合わせ用のデモ録音。『過去から照らす星』『窓辺の椅子』『mind medicine』『明日散る桜』。と、時間が余ったので試しに『capella』。これはまぁいいとして、『明日散る桜』で歌詞を二文字間違えて取り直した以外、全て一発取り。何ですか、一発取りをしなくていい環境になった途端にこれですか。

この前がいつだったのか思い出せないくらい久し振りに、おそらく数年振りに、師匠の夢を見た。とても幸せないい夢だった。夢の中で私は師匠に、10年間ファンをしている事、その間に色々な音楽が自分の前に現われては消えていったが、平沢さんの音楽だけはずっと変わらずに心の支えであり続けた事、を、一生懸命に話していた。起きてから、本当にそうだなぁ、と考えた。92年の秋のあの日、ラジオから流れる『バンディリア旅行団』を聴いた時に、私の人生は変わったのだった。いや、寧ろ、決まったのだった、と書くべきか。だから、たとえこの曲を最大限に生かす歌が歌えなかったとしても、どうしても『capella』はこのアルバムに収録しなければいけないのだ。

夢の中の師匠は、5月のインタラで『バンディリア旅行団』をやると言っていた。久し振りに師匠の生声を浴びたいが、このライブには行けない。ああ、本当に行きたいのだけど。

2003.3.5. 作曲日記

曲作りをする。実は今日、曲順を決めようと思って9曲並べてそれぞれの時間を合計したら、思っていたよりも全然短かったのだ。『風の中で空を見上げて』と数は変わらないのになぜだ! と焦って考えたら、『HIGH HEART』と『椿星』が異様に長いのだった。にしてもちょっと時間的に物足りない気がしたので、急遽一曲増やす事にした。まぁ、この9曲でも満腹感は得られるようにも思えるが…。

最初は『陽炎』を作り直そうかと考えたのだけど、作りかけフォルダの中にイントロ・Aメロ・Bメロまで作って放ってあったものでちょっと面白い曲があったのを思い出し、久し振りに開いてみた。Cメロのメロディとリズム部分だけはできていたものを一旦よけて、違うのを作り出す。全体的にちょっと軽い感じの曲調なので、これなら入れても違和感はないかも知れない。

タイトルとデモについて考える。タイトルは三つ思いついたが、一つ目にはおそらくならないだろう。現時点では三つ目が有力。いずれも日本語。デモは『capella』オケのみ全編、『fact and crime』一番終わりまで、『mind medicine』二番終わりまで、『窓辺の椅子』一番終わりまで、を考えている。

曲順・3月5日ヴァージョン。

1.

燃えるような空

2.

mind medicine

3.

残照

4.

capella

5.

月光翊

6.

過去から照らす星

7.

fact and crime

8.

窓辺の椅子

9.

明日散る桜

2003.3.2. 編曲・練習日記

VF80の導入で、歌にコーラスをつける事が可能になったので、幾つかの曲でコーラス付けを試みる。『過去から照らす星』のサビやAメロの一部。『窓辺の椅子』の一部。これまでただ一曲を除いて、コーラスを作った事が全くなかったため、どんな部分にどのようなものをつけるのが一般的なのか知識が全然ない。これは大変有利な事だ。普通はメインのメロディの上か下で固定するものなのだろうけれど、私のメロディは高低差が大きいのでそれで固めると声が出ない。そこでまるで音の線が交差するようにメインは下から上へ、コーラスは上から下へなどという流れを作ってみた。見た目がどうであろうと、耳から受け取る感触がよければいいと思う。早速歌ってみるのだが、実は私は音を取るのが非常に苦手だ。絶対音感のかけらもない。幼稚園の頃から音楽をやっているというのにだ。才能がないのかしら。数秒前に聴いたガイドの音がもう取れない。四苦八苦。

それから通常の歌練習。ここ数日、『capella』を集中的に歌っている。今の私には難しいにも程がある曲だ。裏声とそうでない部分をどこから分けるのか、明確でなかったのを固めようと何度も歌う。普段見ているトラックの画面は楽譜ではなく、音の位置と長さが線によって表わされているのだが、それを楽譜表示に切り換え、何の音を出しているのか意識しながら歌うと少しは増しになるのを発見した。線だとどの音が自分の音域の限界なのか分かりにくいのだ。それからもう一つ、口の開け方によっても音の出やすさが違うのを発見。今日はかなり調子のいい方だった。

2003.2.28.

何だか気が抜けてしまった。集中して曲を作ったせいか。一曲作り終わってすぐ次、という事が普段はできない。完成したものを何日か聴き返したり聴き返したりして、じっくり自分の中に沈めないと何だか思い入れが薄いのだ。

今やらなければいけない事。曲順決め。アルバムタイトル決め。デモ録音。デザイン関連の打ち合わせが始まろうとしている。歌詞の決定稿を出さなければいけない。そしてもちろん、本録音。あ、そうそう。最後の曲のタイトルが決まった。いっそ発売までナイショにしておこうかとも思ったがやっぱり書く。『過去から照らす星』。星がタイトルにつくのは確かこれで三つ目だ。一つは『椿星』。もう一つは『流星 Cathode Ray Tube』。サビから始まる曲を一度作ってみたかった。曲の作り方が変わったからこそできた作品だ。

おそらくコンセプトアルバムといったようなものは私には作れないと思うし、今の処作るつもりもないのだけど、こうして集めた9曲を眺めてみると『時間』という事が詞の内容に関係しているものが多い気がする。時間が経ってどうにもならなくなってしまった物事…取り返しがつかなくなった溝…もう帰ってこない人、など。なんて後ろ向きなのだろうか。どうしようもない事に対してあがく時期は既に過ぎ、どうしようもない事をどうしようもないと認め諦める時期。良し悪しは別として、私はどうも『どうしようもない』と諦める事が多い気がする。それならばそういったものが歌になるのはなぜなのか。諦めるにしても諦めないにしても、まずその事実を受け止めて認めるという事が必要だ。事実…これを客観的に見るのは時に非常に難しい。なぜその事は起こってしまったのか。誰が、どこが、どのように悪かったのか。結局私は今もそんな事を繰り返し考え、そしてその度に、これは『時間が経ってどうにもならなくなってしまった物事』なのだと諦めているのかも知れない。−『過去から照らす星』を書き終えてからこんな事を考えていた。これは先月東京で見てきたものが動機となってできた曲なのだけど、何か自分の体験とダブるものがないと詞にはならない。この詞がそっくりそのまま投影されるような出来事はないのだが、何だかどうも不思議だ。私はなぜこんな詞を書いたのだろう。

2003.2.25. 録音日記

VF80で初めての本格的な録音。DATと比べて不便だと感じたのはおよそ二点。曲ごとに新規プログラムを立ち上げなければいけないのが面倒。当然再生の時もいちいちプログラムを変えなければならない。この作業に同時押しが必要なボタンはなぜか離れていてちょっと押しにくい。それから、フェーダーによるフェイドアウトが反映されないのも意味が分からない。オケのトリムを捻ってみたけど完全には消音されず。説明書を読んだら、ミックスダウンの時にやるべき作業らしい。ボーカルトラックも、フェーダーを下げれば音を拾わなくなるかと思って間奏で下げて咳とかしてたら全部入っていた。まぁ、後から消せるには消せるのだけど。

『燃えるような空』。失敗部分を削除しようとして、間違えてオケまで消してしまった。トラック削除の際、オケのトラックならそのまま上書きできるのを発見。ボーカルトラックは重なってしまう。『fact and crime』。これは歌っていてテンションの上がる曲。上がりすぎて練習の時は裏声で出していた音も、そのまま出てしまった。OKテイクは割と早く出そう。DATにはできない録音を考えているけれどできるだろうか。『残照』。歌にまだまだ難あり。『月光翊』。歌は無難。出るべき音は出ているので、後はどう聴かせるか。『mind medicine』。これも無難。問題は歌い方をどうするか、捻るか、捻らないか、だけ。『窓辺の椅子』。これも或る意味では非常に気持ちの盛り上がる曲。しかし『白い花』とは違い、泣きそうになるというような事はない。それだけ時間が流れたのか。

そういえば、昨日完成した曲はタイトルがまだ決まっていない。迷った末、半音上げた。それでも最低音がかなり辛い。その音程で全ての音を調節しているので、トランスポーズはできるだけしたくない。もう半音上げると幾ら何でも違和感が過ぎる。頑張って歌うしかないか。

2003.2.24. 作曲・作詞日記

D01のオケを固めていく。ラストは何となく考えていた通りメインのメロディの繰り返しで終わる事にした。オケをちょっとだけ変えて、二行分の歌詞を書く。完成。完成だ! これでアルバムに収録予定の曲が全部出揃った! 嬉しい。アルバム完成したくらい嬉しい。何しろ作品作りに時間を取られた。というのは『風の中で空を見上げて』は、収録曲のほぼ半分が数年前の作品だったから。今回は、以前作ったのは一曲だけ。後は全て『風の中で空を見上げて』以降にできた曲だ。ああ、嬉しい。これでアルバムが作れる。

明日レコーディング初日なのだけど、VF80での録音を一度もした事がなく、やり方が分からなくて時間を浪費するのが嫌だったので、こっそり予行演習。説明書を読みつつしばし格闘。その結果、今日できるようになった事。1. オケと歌の同時録音。2. ボーカルの重ね取り。3. 失敗部分の削除と、録音のし直し。4. パンチインとパンチアウト。最後の『パンチイン(アウト)』はDTMを始めた頃から普通にやっている事の一つだけれど、その作業を『パンチイン(アウト)』と呼ぶ事を今日まで知らなかった。一つ学んだ。

2003.2.21. 作曲・作詞日記

午後メールチェック。楽器屋さんから返事が来ていた。単に配線が間違っていたらしい…。書かれていた通りに、リアパネルに繋いでいたRCAピンに変換プラグをつけて、トップパネルのINPUTに繋いだらあっさり音が出た。やはり即、専門家に訊くに限る。

安心して作曲。主にC01を詰めていく。一番強調したい処にピアノを足し、その後の緩の部分に置いていた音を取り払って別のを入れる。後半のメロディを作り直し、オケを作り直し。このパーツはいっそ詞も曲も全て作り替えるか、どうしようか、と数日悩んでいたのだけど、これで何とか妥協できる処まで来た。続いてD01。メロディの残り10%を固めてから、ふと思いついてもう一フレーズ足す。全体的な形がようやくはっきりした。構成的には完成したも同然だ。今月中に何とかなるだろうか。

2003.2.20.

昨日、Fostex VF80が届いた。CD-Rレコーダー内蔵の青みくん。2時くらいから設置に取りかかる。まずは掃除。今までDATの上にMU80を乗せ、その上や周辺に更にゴチャゴチャと色々置いていたのだが、その小物類をまず退ける。ペン立て。ポストカード類。アイスリーの卓上カレンダー(今見たら95年のものだ)とそれに刺さっている師匠のサイン。一枚は例の渦巻き、もう一枚は例のタイ語だ。何でもらったんだっけか。DIW/SYUNの判子が押してあるから、何かの特典だったのか。ムーンライダーズファンクラブの会員証。その後ろから『音楽産業廃棄物取扱技能者資格認定証』が出てきたので笑ってしまった。あったなぁこんなの。写真。解凍後P-のポラだ。宝物。P-が表紙の雑誌のプレゼントで当たったんだったかしら。それともう一枚。私が近年大ハマりしている某二人組。イベントに行って直接本人から手渡しでもらったもの。宝物。掃除機で慎重に埃を吸い込む。DATを下ろして、場所を作って、VF80の箱を開ける。思ったよりツルツルしている。そして小さい。が、DATと違って上に色々ついてるので、音源を乗せる事ができない。一分ほど途方に暮れた後、やむなくMacのモニタをずらし、その陰に隠れるように窮屈にスピーカーを置き、その前に音源、その隣にVF80を置く。配線。購入前の楽器屋さんとのやり取りと勘を頼りに、DATに刺さっていたRCAピンに変換プラグをつけ、VF80のST OUTに刺す。MU80のOUTPUTから出ているRCAピンは、何だかよく分からないままにリアパネルに突っ込む。この状態でとりあえずデモ演奏。音が出た! すごい綺麗。何だこれは。

次にMacとPerformerを起動。今作っている曲のファイルを開き、説明書通りにVF80を録音スタンバイ状態にして曲をスタートさせてみるが、音が出ない。FreeMIDIの設定やら何やら色々いじってみるが、出ない。チェックには反応するし、MU80的には音は出ている事になっている。なぜだ。VF80側の設定も色々いじってみる。何しろハードディスク内蔵だ。なまじ頭がいい分、細かく命令してやらないと動けないのだろう。あれこれ考えつつあちらこちらいじってみるが、依然音は出ない。だんだん日も暮れてくる。ピンの左右を逆にしてみたり、MIDIケーブルの突っ込み先を変えてみたり、シンセに刺さっているのをVF80に付け替えてみたり、考えつく事を次々やってみたが、出ないったら出ない。全く電子楽器は音が出るまでが一番大変なのだ。頭が痛くなってきた。ぐったりして夕食。音が鳴らない事で頭が一杯だ。夕食後、更に二、三の可能性を試してみたものの、やはり結果は同じだった。なぜだ!

とうとう今日は諦める。楽器屋さんにメール。

2003.2.16. 作曲日記

A02のオケの後半。今日は余りやる気もなく、殆ど進まず。『fact and crime』を聴き返している時、不意に音が聴こえてきて、イントロに1トラック追加。気になっていた部分だったのですっきりした。

2003.2.14. 作曲日記

A02というかC01というか、もうそういう分類をするのが困難な曲になってきているが、とにかく次のパーツのオケを、ちょっとだけ。余り進まず。

曲順やアルバムタイトルを考えなければいけない時期に入ってきているが、どちらも案が出ない。曲順くらいそろそろ決めないと…。

2003.2.13. 作曲日記

今日は主に間奏作り。他がとにかく歌いっぱなしの曲になりつつあるので、一旦作ってからそれを二倍にした。この後はいよいよ二番に入る。詞とメロディは作ってあるものの、これで固めるべきかどうかまだ判断ができていない二番だ。懸案なのは、無理があるように聴こえないか、ということ。しかし幾度も聴き返すうちにだんだん違和感も薄れてきた。そう、そういうものだ。

2003.2.12. 作曲日記

外へ出て月を見上げていたら、まるで月の色が滲むようにその周囲が徐々に金色に染まっていくのを見た。瞬きすると元に戻るので錯覚だと思うのだが、しばしそれを楽しんだ。一番最初にこういう月を見た時は、その感動で一曲作ったものだった。

今日はB01のオケを半分くらい。イントロ三小節追加。録音方法が変わりそうなので、歌にコーラスのメロディをつけてみる。こういう事もできるようになるんだよなぁ。

楽器屋さんから「本日発送」のメール。以前の質問メールでは「13日」で着くと言っていたので、その期間も見て早めに注文したのだけど、今日発送したら明日か明後日には着くと言う。それではお金の用意が間に合わない、というので慌てて返信。どうやら向こうのタイプミスで「1〜3日」で到着だったらしい。おかしいと思ったんだよなぁ。結局今日の発注はやめてもらい、都合のいい時にまた連絡する事になった。やれやれ。

2003.2.11. 作詞・作曲日記

昨日と同じ事+オケ作りを断続的に三時間半やる。結果、2パーツのオケが80%くらいできた。遅い。本当に遅い。それでも今日は割合進んだ方なのだ。まだ頭の中が音で一杯になっている。

昨日の深夜、とうとうMTR(とマイクケーブルとポップガード)を注文した。最終的に幾らになるのかはまだ分かっていない。おかげでライダーズFCの更新もできないし、師匠の新譜も予約できない。ああ。

2003.2.10. 作詞・作曲日記

新しい曲のメロディ作りの続き。詞を書いてはメロディをつけ、また詞を書いてはメロディをつけ。最近よくやる手法だが、先に言いたい事を言ってしまう(歌詞を作る)ため、メロディの流れ方に多少無茶な部分が出てくる事もある。まだ全体的なコンセプトが見えていないから、自分でも相当先走り感があるが、しかしこのメロディはなかなか気持ちいいと思う。

2003.2.9. 作曲日記

散々考えた挙げ句、タイトルは『fact and crime』にする。日本語の候補が四、五個あったものの、どれも直接的すぎた。こういう時は英語を使うとクッションになってくれる。詞は純和風なので、それとのギャップも面白い気がしたり。事実と罪。実際にあった出来事そのものと、罪は誰にあるのかという事の追究。状況や、立場や、感受性や、その他様々な要因をかけてそれぞれに『あいつが悪い』と結論を出すのだろう。かなりの時間が経っても、一体誰が悪かったのか、誰も悪くなかったのか、誰もが悪かったのか、なぜああなったのか、自分の中で結論の出ない事がある。事実は一つしかないはずなのに。truth(真実)では違うような気がする。やはり、fact(事実)。隙間感のずっとあった間奏にとうとう音を足す。

それから、新しい曲のメロディ作り。最初は三拍子で早いテンポのものを考えたが、今ある曲を見てみた時にスローの曲が少ない気がして、作り替えた。

2003.2.8. 作曲・作詞日記

細かい手直し。それからラスト部分を作り、一曲完成。昨日書いた「大きな」については結局書き換えた。しかしタイトルが決まらない。ずっと考えているのだけど、まだ出てこない。

これで8曲になった。あと一つ、ものになりそうな詞の断片があるので、できればそれも何とかしたい。

2003.2.7. 作曲・作詞日記

A04のアレンジ。Cメロのオケの続き。ふと思いついて、その直後のサビを半音上げてみた。曲中の転調なんてもしかしたら初めてではないかしら。DTMではやろうと思えば一瞬でできる技法だけれど、今までやらなかったのは何年も前に、或るミュージシャンがテクノにおける転調について否定的な事を書いていたのを読んだからだ。まぁ、単に必要を感じていなかった事もあり、転調をなんとなーく卑怯な手のように感じていた事もあり。しかし今日の処は違和感はなし。日を改めて聴き直す事にする。それから作詞。言葉の書き方だけを改めた。読みを残して全く違う漢字を当てるというのは、漱石さんから教わった事だ。あと一箇所だけ悩んでいる部分がある。「大きな」という単語、何かに言い換えられないかなぁ。

あれからすぐにケーブルの、というかプラグの形状についてネットで調べ、今日また楽器屋さんにメールした。

2003.2.5. 作詞・作曲日記

やっとCメロに取りかかる。これで詞はほぼ固まった。『草枕』の一節を引用したので、正確な処を調べようと思っているうちにメロディができてしまった。多分合っているはずだけれど、明日一応確かめよう。

2003.2.4. 作曲日記

オーディションとかコンテストっていうのは、検索しても意外に件数が少なかったりする。もちろん、選り好みしているせいもあるだろうけれども。

昨日は書くのを忘れたが、間奏を作っている。これがなかなかしっくり来ない。固まる前にA03のオケ。01、02、03、04と春夏秋冬を一文字ずつ入れたので、それをイメージして作ってみる。全体の構成はもう見えている。少し前からアルバムの発売時期を『桜の咲く頃』と公言しているのだけど、桜が咲く時期は地方によっても違うのだった。とりあえず、春までの完成を目指すとしておおよそ逆算してみると、今月中にこれとあと一曲くらいできていないとかなりマズイ。MTRは今月下旬購入予定。一番話しやすい感じの楽器屋さんに、ケーブルについて再度メールする。フォーン? RCAピン? XLR??

曲順も少し前から考えているが、やはり、私の曲にはアルバム前半向きが非常に少ない。ど、どうしよう。

2003.2.3. 作曲・作詞日記

イントロの手直しとA03、A04の作詞の手直し。どんどんテンポが早くなっていく。

昨年末にエントリーしたネットオーディションの事務局から、一次審査に通らなかった旨のメールが来た。一瞬だけ落ち込む。どこがよくなくて落ちたのか分からないのは辛い処だが、さて、次はどこのオーディションに応募しようか。

2003.1.28. 作曲日記

ようやくイントロ。サビのオケを流用しつつ作る。ベースとドラムでそれぞれ2ずつ使っているというのもあるけれど、トラック数がだんだん増えてきた。16で間に合うかなぁ。

調べても調べてもMTRの事がさっぱり分からないので、専門家に訊く事にした。こちらの環境と予算とやりたい事を書いたメールを三つの楽器店の問い合わせ用アドレスに送る。かなり無謀な行動かとも思ったが、よく考えたら店に行って店員さんに訊くのと同じ事だ。単に近くに店がないからこうなっただけ。夜までに全て返事が来た(早い!)。一件は相手にされなかったとも取れる内容だったけれど、残りの二件(ちなみにどちらもそこそこ大手と思われる店。実際行った事はないが、サイトの印象から何となく)はどちらも懇切丁寧に教えてくれた。薦められたのは『Fostex VF80CD/20G』『ZOOM MRS-1266CD』『Fostex VF80CD(80GB)』『TASCAM788』。CD-Rレコーダーは持っていると書いたのだが、内蔵されているタイプの方が作業が簡単だという。FostexのVF80CDというのは二件とも薦めている。素人考えで、音源がYAMAHAだからYAMAHAの方がいいのかなぁなんて考えてもいたのだけど、関係ないのかしら。Fostexというメーカーは調べているとよく出てくる。20Gと80GBというのは何が違うのか、明日調べてみよう。

それにしても、今日は久し振りにネットに繋がっているありがたさを実感した。

2003.1.27. 作曲日記

A01、02のオケ完成。サビ1もほぼ完成。ホントにテクノっぽい。本物に敵わないという理由からずっと避けていたのだけど、近頃、三味線や琴の音を使うようになってきた。こういうテクノっぽいオケに合わせてみてもかっこいい。

何でそんな事をしたのか思い出せないが、詞の一部分をSimpleTextの外国人に読ませてみた。すごく面白かった。同じ部分でも、人によって長かったり短かったりする。そして、なんて言っているかは全く分からない。これ何かに使えないかなぁ。

2003.1.24. 作曲・作詞日記

数日前に決めたドラムの形を元に、オケ作りに入る。既にできている詞の断片とは裏腹に、私としてはかなりテクノな感じの音になっていく。本当に時々だけどこういう音ができてくる事があり、作っていても楽しい。A02の作詞を少し。

或るものを見に定期的に東京に行っていたのを一回我慢して、とうとうMTRを買う事にした。が、MTRについての知識が全くない。何となく『こういう事ができる…のか?』とかなり漠然と思っているだけだったので、まずは勉強しようとネットで検索、同時に機種や値段を調べる。しかしこれが思うように行かない。初心者用にすっきりと解説をしてくれているページになかなか行き当たらない。トラック数はどれくらいあれば足りるのか? カセットかMDかハードディスクか? HDの場合、OSは選ぶのかどうか? 記録媒体WAVファイルというのを見つけて不安になったり、どのメーカーの何という機種がいいのか、見当もつかない。分からない用語も沢山あったし、自分で配線できるのかどうかも大いに疑問だ。でも、買うと決めたらすごく欲しくなってきた。どうせなら見た目もかっこいいのがいいなぁ。

2003.1.21. 作曲日記

『窓辺の椅子』を聴き返しつつ、手直し。「無く」を「亡く」とすべきかどうか、最初に詞を書いた時からずっと迷っていたのだけど、これだけ時間が経ってしまったのだからきっともう無いのだろうと思い、そのままで行く事にした。のち、新曲のメロディ作り。テンポの早い曲を作りたい。

2003.1.20. 作曲・作詞日記

三番のテンポをいじり、オケをちょっとだけ変更、ラスト部分を作って一曲完成。タイトルは『窓辺の椅子』。アレンジはできるだけシンプルにシンプルにと心掛けた。実際楽ではあったけれど手抜きではない。つもり。その後は二つあるモチーフのうちの一つをもう少し広げる。明日から曲に取りかかれるか。

2003.1.17. 昨日の作曲日記

二番目の間奏の形を作る。バイトの休憩時間に突然思いついたのが一つと、三日ほど東京にいて得たのが一つ、詞のモチーフがあるので今作っているこの曲も早く完成させたい。が、相変わらず思うように時間が取れない。

何年か振りで『ハルメンズの近代体操』を聴いた。私はニューウェイブな人ではないけれど、血が騒ぐ感じはする。かっこいいなぁ。面白いのは幾つかの曲が戸川さんの声で聴こえた事だ。『電車でGO』や『レーダー・マン』などは特にはっきりと、記憶の中の声が再生された。パール兄弟はまだ続いているのか、泉水さんは今どんな活動をしているのか、が気になった。

2003.1.5. 作曲日記

一昨日と今日で、大体二番にもオケはついた。間奏を少し作る。

去年に比べたら全然だけど、バイトが忙しい。忙しいし、シフトが変更の連続でやたらバタバタしている。今日も疲れた…。

2003.1.1.

あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い致します。

さて、今年の目標。まずはアルバム発売。桜の咲く頃、できればその少し前に。曲がまだ出揃っていないという状況ながら、去年の今頃と比べると随分余裕がある。自分できちんと歌える曲ばかりを作っているせいだろうか。次に、人前に出る事。これは去年から考えていて、やり残した事の一つ。どんな形でもいいから、とにかくライブを経験したい。それから、とにかくもっと多くの人に、花雲の音楽を知ってもらう事。オーディションに受かるのもこの目標のうちだ。大きな処ではこの三点。全て実現できますように。

T O P